2019年9月29日日曜日

麻薬とかのおはなし

今回は先週に引き続き痛み止め(麻薬)について。
オピオイドとともいうんですが、アメリカでのオピオイドの問題についてはツイッターにちょこっと上げました。
ざっくり書くと
・アメリカの麻薬作っている製薬会社が「安全性の高い薬なのでもっと使ってもいいのよ?」ってプロモーション活動をした。
・アメリカの麻薬管理って日本よりガバガバ&適応範囲が日本より広いっぽい。
・日本のロキソニンみたいな感じで安直に処方が切られるようになる
・薬の性質上正しく使わないと色々わるいことができるので規制すべきなんだけど、製薬会社のプロモーションが激しくどんどん出るようになった。
・「頭が痛い(方便)」→「じゃあオキシコンチン出しておきますね」こんな感じで出るようになった
痛いことにして麻薬を受け取って、それをつぶして水に溶かして血管からキメるといいぞ!ってのが流行った様子。
麻薬を血管から直接入れればどうなるか・・・まぁお察しください。
さすがにやばいと思った製薬会社が、そういうことができないように錠剤の形状を変更ってのが2年位前にあったんだけど
ジャンキーになったり死んでしまった人が戻ってこないし、アメリカは訴訟社会であるのでそれに対して訴訟が発生している。
1兆円越えの和解金がを払ってどうとかみたいなはなしがでている。会社潰れかねないんだけどねぇ・・・てところで現在進行中。

とまぁ、これはアメリカの法規制がガバガバだったから発生したものであり、日本ではこういうのは起きてませんし
医療用の麻薬を処方通り使う分には全く問題ないです。これが大事。

麻薬って何に使うかというとたいていは痛み止めで使います。あとは咳止めか。あんまり麻薬の咳止めってでませんけども。
日本の場合適応が「がんによる激しい疼痛」ってのがほとんどでがんでないと使えません。
例外的にフェンタニルっていう成分の貼り薬は慢性疼痛の適応があるんだけど、きっちりお勉強しないと使う許可がでないというやつ。
何にせよ、日本っていう国は欧米と比べると使用がかなり慎重なのでまだ問題になっていません。
最近は在宅とかそういうので結構使用量増えてきてますけどもね。厚労省も麻薬の取り扱いがない薬局は医療に貢献できてないっていう感じの評価をしてたりしますし。

麻薬の痛み止めっていうと大体2つに分かれます。
がんの痛みってのはずっと痛いっていうのと、突出した痛みっていうのがあってそれによって薬が変わってきます。
貼り薬ってのはずっと続く痛みに対して使います。薬の名前としてはフェントスとかデュロテップとか。
それで痛みにたいする防衛線をはって、それでもダメな時に飲み薬で調整するってことが多いです。
飲み薬でゆっくり溶けるものも同じような感じで使ったりするものありますが、貼り薬の方が一般的だったりします。
メリットとして貼り薬は剥がした瞬間に薬の投与が中止できることがあります。
効果不十分で量を増やしたら副作用が出たっていうときに対処しやすい、というわかりやすいでしょうか?
ゆっくり溶ける錠剤だとそれを取り除くことができないため、過量投与になったときに困ったことになります。
一方これを使っても突出した痛みがでてきた場合、粉や液体の麻薬が使われることがあります。
具体的な名前を挙げるとオプソとかオキノームとか。
口から飲めるというっていうのが前提なんですが、飲めないぐらいやばい状態だと坐薬とか点滴になります。
そういうのが出る状態となると「あっ(察し)」って感じになるんですけども。
あくまでこれは痛み止めなので根本的な解決にはなっていません。
化学療法なり、手術なり、運よくがん細胞がなくなるなりそういうことがない限りがんっていうのは治らない病気です。
昔は治すってのを重点に診ていた為、こういうのはあまりつかわれなかったというのもあるんですが
今はいかに苦しまずに終着点につくかっていうことが考えられるようになってきたので結構使われるようになってきました。
突出痛に対して麻薬を何度でも使っていいみたいな処方箋発行されたりすることもあります。
良いか悪いかはさておき、そういう選択肢ってのもあるということです。
あんまりまとまらなかったけどこんなところで。
他に解説したほうがいいことあったらTwitterなりコメントなりでください。
ではまた来週。

2019年9月23日月曜日

痛み止めの強さとか

MD高岡とかお疲れさまでした。
富山って海も山もあって個人的には好きなところ。飯もうまいし。
今日は痛み止めについてちょっと書いてみようと思います。
痛み止めの薬というとどういう薬が思い浮かぶでしょう?
おそらく一番有名なのはロキソニンなんでしょうが、種類っていうのは結構いっぱいあったりします。
市販薬の痛み止めっていうとどうだろう?
イブとかナロンエースとか。もちろんロキソニンSとかもあるとは思いますが、これについて強さを比べるっては結構難しかったりします。
例えばナロンエースとロキソニンSを比べるとどっちが強いか?っていうと一概に言えないのです
ナロンエースのレシピ
イブプロフェン144mg
エテンザミド84mg
ブロモバレリル尿素200mg
無水カフェイン50mg
ロキソニンSのレシピ
ロキソプロフェンナトリウム60mg
イブプロフェンとロキソプロフェンだとロキソプロフェンの方が強い成分なんだけどもナロンエースはほかの成分も入っているので
ロキソニンSの方が強いとは言えないのです。
エージェントにだけわかるように説明すると
ロキソニンSのMod構成はイージス1枚
ナロンエースの構成はレアシールド、レアシールド、ファースアンプ、リンクアンプ
おおざっぱに書くとこんな感じかなぁと。
XM所持が少ない相手だとナロンエースの方が良い場合もあったりします。
ちなみにロキソニンSプラスのMod構成はイージス、ヒートシンクって感じ。防御力自体は変わらんです。
ロキソニンSプレミアムだとイージス、ヒートシンク、フォースアンプこんな感じ。
ここまで来るとナロンエースよりは強いって言えるのかもしれません。
イブ(糖衣錠)はレアシールドのみ、イブAがレアシールド、フォースアンプって感じかね?
売り分けとかあったりするけど、この辺りは登録販売者さんや薬剤師捕まえて聞いてみましょう。

医療用の方は基本単品の成分が多く、一長一短だったりします。
よく出るところをちょっと説明。
カロナール(アセトアミノフェン)
効きはそれほどではないが副作用が少なく、子供やお年寄りに使いやすい。
安全性が高いから高容量使うこともある(1日4000mgまで)
ボルタレン、ロルカム
系統はちょっと違うけども、ロキソニンより痛み止めとしては強いけど副作用も強いって感じか?
どうしても痛い時とかに使う。歯の痛みとか。そんなに使用頻度は高くない。
ハイペン、オステラック(エトドラク)
難しい話をするとCOX-2を選択して阻害する薬。簡単に言うと副作用が少な目の痛み止め。
とはいえ、一緒に胃薬も添えられることも多いんだけども。
痛み止めの強さとしてはそこそこなんだけど、副作用が少ないので整形領域での慢性的な痛みに対して使うことが多い。
ロキソニンやボルタレンなんかは長期間飲むには向いていません
セレコックス
エトドラク改って感じの薬。慢性的な痛みに対して一番使われているんじゃないかなぁ?
まだジェネリックが出ていないのでお値段は他と比べると高くつくかも?
リリカ
これを痛み止めというとちょっと語弊があるかもなんですが
神経の伝達をちょっと抑えることによって痛みをとめる。
神経痛とか帯状疱疹の痛みとかで使うことが多いんだけど、その性質上他の神経の伝達も抑えるので
眠気ふらつき等の副作用に注意。使っていくとなれることもあるんだけどもね。
結構お高い。
トラマール、ワントラム、トラムセット
これまた神経の伝達系をいじる薬。トラマドールっていう成分が主成分でトラムセットはアセトアミノフェンとのセット商品。
麻薬を除くと最強クラスの痛み止めなんだけど、他の神経をいじる手前便秘とか吐気とかの症状も出てくる。
なのでノバミンとかの副作用止めも一緒に出てくることも多い。
専門医でないとあんまり使いたがらない感じですかね?
ノイロトロピン
ウサギにとあるウイルスを感染させて出てきた液を精製するとできるよくわからん薬。
なぜ効くのか?とか、どういう物質が効果があるのか?そういうのが分かっていない不思議な薬です。
有効成分特定するコストが高いし、効果があるんだからまあいいじゃん?ってかんじなのかね?
飲み薬だとだいたいこんなところかね?
トリプタノールとかサインバルタも疼痛で使う事もあるけども元々はほかの薬なのでここでは語らないことに。

麻薬についてはニーズがあればやりますかね?
今回はここまで。
また来週よろしくお願いします

2019年9月15日日曜日

麻薬の廃棄

先週はまさかの飛行機ロスト。コース的には大丈夫と思ったらぎりぎりアウト。
2125に千歳発のがダメで2000発はセーフてのはほんと紙一重だったんでしょうねぇ。
あと昨日はフィールドテストお疲れ様でした。
わたしは福井のに参加しましたが・・・いろいろ課題がある感じでしたね。言いたいことはTwitterに書いたのでここには書きません。
で、今回のおはなし。
麻薬の廃棄の件について。

麻薬の廃棄ってのは大きく分けて二つあります。
・期限が切れたり破損したりしたものを廃棄する場合
・患者が死亡したり、もう必要なくなったものを回収した場合。
後者については患者が亡くなって、正当な理由がないのに家族の人が麻薬を所持したら逮捕されることもあります。
なので、麻薬が出ている患者さんがなくなった場合薬局が回収して廃棄することになります。
在宅で家に入っている場合は回収できるんですが、外来で麻薬出ている場合患者死亡とかわからないのでそのままになっていることもあります。
もしもそういうことがあったら薬局に連絡してくださいね。
前者は薬局の中で発生するのですが、これは何年かに一度あったりします。
きっちり包装単位で使い切るわけでもなし、患者が継続的に来るわけではなし。
普通の薬よりも期限切れというのが発生しやすい薬ではあります。
どちらも廃棄なのですがこれについては扱いが違ってきます。
麻薬っていうのは扱いが厳密であり、出入庫に帳簿をつける必要があります。
後者は出すときに麻薬の帳簿をつけているので、回収してもとくに帳簿をつける必要はありません。
ただし、期限が有効だからといって再利用はできないというルールはあります。
帳簿に載っていないものですが、ものがものだけに勝手に捨てられません。
何月何日に〇〇をいくつ廃棄しました。
廃棄方法は△△です。
廃棄した理由は患者の□□が死亡したため。
こんな感じで。
帳簿外であっても結構面倒な書類を出さないとならないのです。
ある程度まとめて出すこともできるし、自分の所で出してない薬も廃棄できます。
病院からの退院処方を使い切る前にお亡くなりになったとか実際ありますし。
届け出さえすればいいので廃棄はお店でやって構いません。

一方前者
こちらはさらに面倒。
帳簿から減らすということをやらないとならないので、麻薬取締官の目の前で廃棄をしないとならず、帳簿の書くのは
取締官もしくは取締官が見てる中で管理薬剤師が書いて認印をもらうことになっています。
お役所にアポをとって、出頭して目の前で廃棄して、帳簿つかておしまいって感じです。
廃棄の方法なんですが、これは普通の薬とあんまり変わりません。
錠剤だったら潰して水に流す、注射だったらアンプルあけて水に流す。
カプセルなら外して水に溶かして流す、張り薬ならば細かく刻んで燃えるゴミ。
座薬はお湯と洗剤で溶かして流す。
・・・なんですが、中にはどうにも処分に困る剤型の薬もあったりします。
タペンタとオキシコンチンTRがそれ。
ハンマーで叩いても砕けず、粉砕しようとすると刃の方がいかれるし、水につけるとゲル化するとかそういうものがあります。
オキシコンチンに関しては砕いて水に溶かして注射して速攻で気持ち良くするという感じで使っていたらしく。
そういうことができないように剤型変更してTRっていうのができたとのことです。
これの対処法は
・直接焼却する
・ガムテープでぐるぐる巻きにして回収できないようにして燃えるゴミとして捨てる。
ガムテで破棄ってのは本当にいいのかよと思いましたが、実際マニュアルにそう書いてあったりするんですよなぁ。
と、麻薬って捨てるの面倒なので在庫を持ちたくないっていうのは薬局あるあるだったり。
免許代もただではないですし。
なんでこんな記事を書いたって?
今廃棄しているからだよ! 在宅のがん患者さんって最後には麻薬で苦痛を緩和って感じになるので結構こういうのは発生するのです。
といったところで今回はここまで。
また来週もよろしくお願いします。

2019年9月1日日曜日

消費税があがると?

弊社は8月決算で、それに伴って棚卸があったりするんですが
その仕事が終わらないので軽めの更新で。
今年は10月に消費税改定があるため、薬価が変わります。
消費税の2パーセント分オンされるような改定でいいじゃんと思うんですが、医療費っていうのは減らしたいっていう傾向にあるので
チャンス!って感じで薬価が下がったりします。
まぁ上がるものもあるんだけど、トータルでみると下がる方が多いので会社からは在庫を減らせという話が来ています。
例えば1000万円在庫があって、その薬価が10%下がれば100万円の資産価値が減ることになる。
故に薬価改定のある9月末の在庫は減らしましょうということになります。
これを利用するとちょっと悪さすることもできなくもない。
9/30に処方箋を受け付けたとする。でも在庫が無くて当日お渡しできないことっていうのはあり得る話。
薬価改定後の薬は10/1に仕入れて置けば仕入れ値も安くなるだけど、保険請求は月締めで行うため
仕入れた金額は安いけど高い値段で請求かけることが可能だったりします。
意図的にやるところはないと思うんですが、上記の通り薬局ってのは9月末の在庫は減らしたいので在庫不足ってのはあり得るかもしれません。
また、処方箋の期限は4日間あるので9/30の処方箋を当日出すのと、1日あけてから出すとでは金額は変わってくることもあります。
これに関しては一般の商品も同じことだと思うんだけどもね。増税前に買っとけって感じだけど、薬に関しては逆の方がいいこともあります。
もっとも今回の改定はトータルではマイナスですが、消費税の分だけ加味した改定(2%弱プラス)っていうのも結構あるので
「10月の方が高いじゃないか!」って言われても責任は取れませんのであしからず。
そんな話もあるってぐらいで見ておいてもらえたら幸い。
今週はここまで。また来週もお願いします。