2023年8月24日木曜日

ロキソニンシリーズ新商品など

 薬剤師って資格は取ってさえしまえば悪い事して抹消されない限り一生消えない資格。

これは運転免許と同じなんだけど、ペーパードライバーでは車の運転が難しいのと同様で

薬剤師も知識のアップデートしていかないと、ペーパー薬剤師になってしまします。

薬の知識もありますが、薬局の実務ってのは薬の事知っていればいいもんではなくて

話の持って行き方、話の聞き方なんかもあるし、薬事関連法規のアップデートとかも必要。


今月の頭に書きましたが、コロナにおけるオンライン受診の暫定措置の解除と新しいルール

改訂とかは、薬の知識ではないけど知っていないとお仕事できないという案件。

法律とかも自分の仕事にかかわるところはある程度頭に入れておかないとね。


今回はOTCのお話。

ロキソニンSという痛み止めはあるんですが、この夏に色々新商品がでることになりそうです。



今出ているロキソニンシリーズについて

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/brand/loxonin-s/


ロキソニンS

痛み止めのみ。医療用のロキソニンと同じもの


ロキソニンSプラス

酸化マグネシウムを追加。胃を保護するのと水分を錠剤に引き込むので溶けるのが早く効く(メーカーの意見)

胃を保護する成分が入っている&早く溶けるのは正しいんだけど、胃に優しくて早く効くかはどうかな?と思う。


ロキソニンSプレミアム

Sプラスに鎮静剤を加える事で効果を高めたもの。ただし色々薬を増やした為1回2錠飲む必要がある

お値段も当然高くなる。眠くなってもよいから効果が高い物をという人向け


ロキソニンSクイック

Sプラスと成分は同じであるが錠剤の構造を改良して「クイックブレイク製法」を採用。

水に触れると即座に溶ける系のもになった。0.1秒でも早くというのが売りみたい。

当然Sプラスよりも大分お高い。


ロキソニンSプレミアムファイン←New!

Sプラスにシャクヤクエキスとヘスペリジンを入れて生理痛に特化した形。

シャクヤクエキスが痛み止めに入ることは過去にもあった(ハッキリエースとか)のでわからんでもない。

普通のロキソニンでイマイチ効果が・・・という人むけかなぁ?と


とまぁ、色々ある。

医療用だと痛み止め単品しかなくて、オプションパーツってのはつかないんだけど市販のものだと色々つけれるのよね。

マイナーチェンジバージョンを色々出せるのはメリットなのかもしれない。

きちんと説明できると売り分けもしやすい。


外用薬についても

ロキソニンSシリーズにはテープ、大きいテープ、パップ(湿布タイプ)、ゲル、ローションとある。

これについては医療用にも同様なものがあったりします。

市販だとそれに追加でロキソニンEXシリーズというのがあります。


違いはなにか?というと

「メントールが入っていて使った時にスーッとする」


・・・いや、マジで。

もちろん医療用のロコアテープとかにも鎮痛剤の効果を増強するためにメントール入っているから

ちゃんと医療的には効果があるということらしい・・・んですよ。

まぁ、スーッとするというのは効いた感じはするのでお好みでどうぞというところなんでしょうか。


ここに8/22に追加商品のプレスリリースが2つ


https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/release/loxonin-ext230822.html

ロキソニンSテープの温感タイプが発売に。

これは医療用にはなかったんですよね。なかったというかロキソニンで温感は無かったのでジェネリックメーカーが

つくって発売しているというもの。

だから「ロキソプロフェンテープ(温感)」ってのが処方せんででても先発品は存在しないというものだったり。

これが発売されると医療用でもロキソニンブランドで温感が発売・・・されんな、多分。

慢性的な痛み、特に腰痛とかはこっちの方が良いかもしれんね


もう一つ

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/release/loxonin230822.html

ロキソニン総合風邪薬なるものを発売。


これはある意味画期的。ロキソプロフェンが入った総合感冒薬って今までになかった。

医療用で薬を組み合わせて風邪の症状を抑えるとなると使うことはあるんだけど、総合感冒薬だと

PL顆粒とかがいまだに幅を利かせているという状況。

圧倒的に性能がいい風邪薬ができる(副作用には気を付けないとならんけど)感じなのかもしれませんね。


しかし、成分名というか痛み止めの商品名を風邪薬の名前に持ってくるとはなぁ。

風邪薬については分量などの細かいスペックがでたらまた取り上げたいと思います。

2023年8月3日木曜日

オンライン受診とマイナ保険証のはなし

 オンライン服薬指導について。


コロナの流行によって通院するということが感染リスクになるため、オンライン診療ってのが進みました。

あくまで建前としては実際に通院すると人混みによる感染が問題になるためであって、行くのが億劫であるというわけではないんですが。

感染状況がピークと比べてだいぶ落ち着いてきてますが、便利になったものを元に戻すというのは難しく

オンライン診療がヤメになるということはないようで、そのまま続けていくことになりました。


このコロナの時の特例として、服薬指導は電話での応対で良かったのですがその特例措置が7月で終わり。

8月からはビデオ通話でつながなければならなくなりました。

まぁ、電話だと薬剤師ではない人が電話してもぶっちゃけわからんし、患者も本人でなくてもわからんからね。

もちろんビデオ通話だからといってなりすましができないわけではないんだけど、顔出しするとなるとリスクもある。


わたしは店舗のオンライン受診担当のほとんどをやっている(通常業務と並行して)んだけど、結構手間が多いですね。

まず、今まで電話で良かったのをビデオ通話になるというのを患者に伝え無ければならないのが一つ。

患者サイドからしたら電話なら出れるけどビデオ通話できないという状況はあるからタイミングを選ぶというのもある。


大半のオンライン患者はスマホ持っているんだけどガラケーの人もいたりするし、IT系に弱いお年寄りもいるので

結構今後の変更点というのの周知で引っかかるところも出てくるんじゃないかなと思います。


でもまぁ、技術的に問題なくやれて、支払いもクレジットでやれる人にとっては結構便利なシステムになるんじゃないかなぁと思います。

コロナの特例措置ってのは3か月に一度はリアルに診察受けるようにというのがあったんだけど

8月からそれが撤廃された感じもあるので、オンラインでの比率も増えるんじゃないかなぁ。

つまり、自分の仕事が忙しくなるという話なんですけど。


オンラインだと医療機関も薬局も「場所」ってのがあまり関係なくなってくるから、薬局のバランスとかにもかかわってくるかもね。

もちろん薬の送料の問題はあるので、実際に薬局行く人も減らないとは思うけど、手間考えたらペイで来てしまうのかな?

極論、いわゆるカリスマ薬剤師がオンラインも受け付けています!って感じで予約が殺到・・・なんてこともありえるのかなぁ?

かかりつけ薬剤師っていう制度あるけど、オンラインだと「指名」しやすい状況にはなるかもしれません。


厚労省が言う対人業務の強化というのにこういうのもかかってくるんじゃないかなぁと思います。


もういっちょ小ネタ。マイナ保険証の話。

反対している側の人が馬脚を現した感がありますね。


保険証って顔写真って原則載っていないので身分証としては中途半端だったりするのですよね。

性別と年齢が大体合っているならばなりすましを防ぐことって医療機関ではほぼ不可能だったりします。

なので、顔写真があるマイナンバーカードに保険証機能を付けるとそういうなりすましの敷居がかなり高くなります。

マイナンバーカードのシステムが信頼できないというのはわからんでもないけどもね。

保険証とそれを使った保険診療っていうのは性善説を前提にしているシステムなので

食い物にしようと思えばどれだけでもできてしまうというのがあります。

保険証だけでは無くて母子や障害の医療証ある人がそれを貸与すると、自己負担なしで薬が手に入ってしまします。

薬が手に入ったらフリマサイトやもっと裏の方で換金・・・なんてことができてしまうんですね。

マイナ保険証だと通院歴とかもわかる(患者の了解は必要)ので、あまりに不自然な診療があれば突っ込みを入れることができます。

お薬手帳とかがきちんとつけてあればそこで突っ込めなくはないんですが、悪いことやっている証拠を持ち歩くわけないものね。


「精神科の通院歴とか知られたくないだろうからこの制度はクソ!」

みたいなことを言っている医師をTwitterで見ましたが「お前は何を言っているんだ?」となりました。


よりよい医療を提供するにはそういう情報があった方がいいわけだし

守秘義務ってのがるから他にばれることはなし、ばれたならその人の刑事的な問題なわけだから論点が違う。


「前回の日数から薬がまだ残っているはずなんですが、どうしてかかったんですか?」

みたいな指摘ができるようになるから、転売とかしているのであればだいぶやりにくくなるとは思います。

・・・まぁそれを確認するのは薬局とかになるので、逆切れした患者とバトル!っていうのは発生するんですが・・・。


過去に医療機関AとBの処方箋を一緒にもってきて、AとBに同じ睡眠薬が最大量で出ていたので患者に

「薬がかぶっているみたいなので医療機関Bに問い合わせて削除してもらいますね」

と、患者に伝えたら

「そんなことするんじゃない!処方箋通り薬を出せ!」

いや、それはできません。問い合わせた結果OKならば薬は出ますので(無理だと思うけど)と言ったら

「だったら処方箋を返して!」

ってなったことはあります。


正直なところ、後ろめたいことやっているならばれないようにやれよ・・・はなしで

この患者がアレなだけだとは思いますが、監査体制がガバいのでこういうのは結構あるんじゃないかなと思います。


医療費削減にはなるかもしれんけど、トラブルの矢面に立つのは俺たちなんだよなぁ