2023年1月26日木曜日

医薬品がない理由など

医薬品の出荷調整が続いており、薬局も患者も処方医も泣いている状態です。 殊にコロナが原因で咳止め、解熱鎮痛剤、痰を切る薬などなどが需要過多となり作っているけど製造が追いつかない というものもありますし 出荷調整という情報が出たタイミングで薬局側がかき集めて一気に枯渇したりということもあります。 今回は薬がない原因について少し書いてみましょう。 ①供給は問題ないが需要がやたら多いというもの 上記で書いたようにコロナとかで咳止め、解熱剤などの需要がひっ迫したため薬が無いという状態は起きています。 コロナ関連は1日に10万人ぐらい新規感染増えてるし、陰性の患者にも症状があれば薬はでるわけで そんなペースで薬が出たら足りなくなるよねという話です。 あと、もしかしたらコロナかも?ってなった場合医療機関にかかる率が増えているというのはありますね。 風邪だろうから市販薬買って治そうって感じには例年よりはすくないです。 医療用の薬は枯渇しているけど、市販の薬は特に供給問題ないです。 アセトアミノフェン、トラネキサム酸は医療用だと結構無いんですが市販だと普通にあるし・・・ ②供給に問題があるというもの こっちの方が深刻なことが多いです。 ことの発端は2020年の抗真菌剤に睡眠薬の成分が混入という大事故が発生、そのメーカーが100日以上の営業停止に。 発生の原因が管理体制がガバガバであったことであり、当然再発しないように手が打たれた。 そうなると手順書とか工程とか再度作り直し、承認が得られるまで作ることができない。 まあ、これは当たり前の話ですよね。 んで、お役所が「こういうずさんなことやってないかチェックします!」っていうのをやったら出るわ出るわ。 日医工っていう最大手とかも不正が見つかって生産が止まるというのが発生しました。 医薬品っていうのは余剰スペックってのがあんまりなくて、他メーカーが作っているからといって 1社欠けると全体量が100%にならなかったりするんです。 生産止まったところが1社ではなかったり、薬の原料にエラーが見つかって止まった場合はもっと悲惨なことになります。 ③流通の問題 アレルギーの薬Aに供給問題が発生したとする。 Aを使っていた人に別のアレルギーの薬が必要あるわけで、Bという薬を用意した。 が、Bという薬は本来その人に使う予定無かったのでBという薬の需要供給バランスが壊れて入荷しなくなる ではCを・・・って感じでドミノ倒し的に特定のジャンルの薬が全部なくなるということが発生します。 あとは上に書きましたが「あの薬そろそろ無くなるかもよ?」っていう情報はいると使う側はかき集めるわけで 薬不足は加速します。正確にはあるところにはあるが大多数のところにはない、みたいな状態になる。 メーカーもそれ対策で出荷調整っていう薬の交通整理をするんですが、なかなかそういうのも効果が無かったりしたりします。 薬自体が品薄になると、いつも出ているところを優先する形になります。 薬局が患者が新規で来たから、問屋に薬を頼んでも入ってこないということも多いので、今のタイミングで かかっている薬局を変えるというのはお勧めできません。 どうしても変えたいならば在庫確認してからやったほうがよいとおもいますよ。 ④ペナルティの結果… 日医工とかはあまりにペナルティをくらった品目が多かったので作るのをやめます!という品目が100品目ぐらいでてます。 通常ならばペナルティを食らう→手順書などを改定する→作ってヨシ!→再開って流れなんですが ペナルティを食らう→立て直すの大変だからヤメタ!って感じなんですよね そうなるといつまでたっても供給状況が解消されないのでずっと品薄になってたりします。 これは薬価改定の頻度が2年に1回から毎年になって薬の利益が取れなくなってきたのも原因なのかも 利益率が悪化すると余剰在庫って持てなくなるから、ちょっと事故が起きるとあっという間に枯渇するっていうことにつながるし。 医療費が財政逼迫するというのはわかるんだけど、それを削った結果なのかもしれんね