2022年7月28日木曜日

カロナール欠品と変わりの薬のお話

カロナールの出荷調整が発表されましたね。 2017年ぐらいにアセトアミノフェンの原末の製造過程でやらかしが発生して、カロナール以外のアセトアミノフェンの製造がとまって カロナールがそのあおりを食らって欠品しそうになったことがありました。 結局その時は特に欠品は起こらず流通してたので、カロナールすげーな!ってなってたんですけど 今回はそのカロナールが「需要がヤバい」っていう理由で生産が追い付かなくなっているみたいです。 生産が止まっていないのに出荷調整ってそうそうないんだけど、それだけヤバいっていうことなんでしょうね。 さて、ここでカロナールってなんぞやという話をしてみましょうか。 アセトアミノフェンというい成分で解熱鎮痛剤で使われます。 強さとしてはそれほどではないんだけど、安全性が高いのがウリで、小児に対しても使いやすいというのがメリット。 強さとしてはそれほどではないと言いましたが、その分用量の上限が大きく、一日の上限量は4000mgとか。 いや、実際そんなにでているのって見たことないんだけど、それだけ安全性が高い薬という話です。 困ったときにとりあえずカロナールっていう出し方が多くて、それでぽんぽん出ているから足りなくなってきているのでしょうね。 あと人間の心理として、コロナが流行っているみたいなのでいざかかった時に前もってもらっておこう(今使わないけど)ってのも 結構ある話だと思います。 ちなみに市販品のアセトアミノフェンだとタイレノールが一般的なんですが、これはずっと供給が安定していないし 入荷した端から売り切れてしまいます。クソが! とはいえ、カロナールが足りてないのにカロナールをくれ!というのもナンセンスなのである薬で対処することになります。 一番近いところだとイブプロフェンなんでしょうか。 市販ルートだと一番メジャーどころなのでは?イブとかノーシンピュアとかそういうやつ。 アセトアミノフェンの代わりにイブプロフェンを使ってもいいのか?という質問があるかもしれないのですが 「何ら問題ない」 です。 やってることはそんなに変わらんし、どっちかというとイブプロフェンのほうが強い感じだし。 用量守って使うならば全然問題ないです。 ではロキソプロフェンはどうか?という話になってくる。 「使い方と対象による」 という感じになります。 普段からロキソプロフェンを使っている、過去に使って問題なかったという人であればこっちのほうがむしろいい感じ。 ただし、胃腸障害の副作用っていうのはあるのであんまり長期間(2週間を超えるとか)を連用すべきではないし そういう場合は胃薬とか併用した方がいいというところ。 効き目自体はこっちのほうがいいし、そもそもカロナールが効かない場合はこっちに切り替えることも多かったりするので 使ってダメってことは無いです。 ただし、15歳以下の小児や妊婦に対しては安全性のデータが無いのでお勧めしないという話。 カロナールが出荷調整というのは結構な衝撃なんですが、打つ手がないという話では無いのである薬を使っていきましょう。 あとは、基本的な感染症対策っていうのは継続していくことですね。 コロナの治療薬をはよ作れ的な話をちらほら聞くけど、予防に勝る対策ってないし 治療薬があるからかかっても安心とはならんのだ。 予防がしっかりしてれば発熱外来がパンクしないという話はあっても、治療薬があるから発熱外来がパンクしないという 話はないですからね