2022年12月8日木曜日

食前に飲む薬

患者さんより 「この薬って食前服用じゃないですか。これって飲んだ後に何か食べないとだめですか?」 「食事をとれないタイミングだと飲まない方がいいですか?」 こういう質問をたまに受けることがあります。 ・・・ふーむ、一般人だとそういう考え方になるのだなぁ。 食前に飲まないとだめというのは何らかの理由があるものが多く ①食前、すなわち空腹時でないと効果が落ちる ②薬の承認の試験が食前で行っているため、データがないから ③薬の効果タイミング的に食前である必要がある だいたいこの3種類ぐらいかな? これについてそれぞれ説明していきますか。 ①について これは食事をとらなくても問題なし。 薬が効かなくなるから食後はやめてね!という意味であって、その後に食事をしろという意味ではない。 ②について 具体的にはプリンペランとかナウゼリンのような吐き気止めとか。 実施は①に近い感じなのでこれも食事をとらないとならないということではないのです。 じゃあ③ってなんなの?っていう話なんですが、血糖を下げる薬なんかが該当します。 具体的にはファスティックのような飲んですぐインスリンを分泌を促す薬。 食事で血糖値が上昇する→それを飲んで30分後にインスリンを出して血糖値の上昇を相殺するというものです。 これを飲んで食事をとらないと血糖値が上がっていないのにインスリンが出て血糖値が下がってヤバい。 なので、この場合は食事をとらないとならないし、食べられない恐れがあれば飲んではいけないというものです。 なので、論点としては「薬を飲んだとして食事をとらないとデメリットがあるのか?」というお話ですね。 たいていの場合はないのですが、上記に挙げたように血糖値下げる系の薬は要注意というところです。 あと、食前に服用というか食後だと良くないというものをいくつかリストアップ ・漢方薬全般。 胃の表面から吸収されるから食後のように胃の表面があいていないと吸収されにくい ・・・と説明すると患者は理解してくれます。 厳密にはちょっと違うけど、わかりやすさ重視の説明 ・ビラノア 比較的新しめのアレルギーの薬で副作用も少なくて使いやすいが食後だと効果が落ちるので注意。 眠気の副作用無いけど空腹時である寝る前に服用推奨という変な薬 ・ビホスホネート系の薬 骨粗鬆症の朝起きたらすぐ飲んでね。30分間食事も寝たりしたらだめよっていう縛りがある薬。 他のものとくっつく性質があるので食事があるとそっちにくっついて効果出ないし 寝っ転がると食道に張り付いてしまってそこで溶けて海洋になる可能性があるためという理由。 良く使われるものとしてボナロン35mgとかフォサマック35mgとかの週1回タイプとボンビバとかボノテオのような月1タイプがある。 一応ダイドロネルとかボナロン5mgとか毎日飲むタイプの薬もあるんだけど余りに使い勝手が悪いので改良されて週1月1になりました ・リベルサス 最近発売になった糖尿病の薬。 これもビホスホネート系の薬と同じく他のものがあると薬の安定性が悪い、なんなら水を多くとってもダメというもの ビホスホネートと違って寝てもよいんだけども、14mgの錠剤と7mgの錠剤×2が等価ではないとかいうなんというか気難しい薬。 もともとは注射しか存在しなかったんだけど、色々頑張って飲み薬にしたのでいろいろ制約がある感じになりました ・ドラール(クアゼパム) 睡眠薬なんだけど、食後に飲むと吸収が3倍ぐらいにあがるという薬。 効きすぎるから食事NGってのはあまりないですが、効果が効果だけにこれは避けないとね。 こんなところですね。 正直なところ、漢方のようなものやナウゼリン、プリンペランあたりなら 「ちょっと効果が落ちるけど、飲まないよりはましだから食後でものんでいいよ」 というのが実際の服薬指導になることあります。 なのでわからん時は薬剤師捕まえて聞いてみるとよいかもしれませんよ。

2022年11月25日金曜日

ゾコーバってどうなの?

塩野義製薬からゾコーバというコロナウイルス感染症の経口治療薬が緊急承認されました。 すでにモルヌピラビル(商品名ラゲブリオ)というものがすでに実用化、薬価収載しているんですが 『国産』の経口治療薬という点で開発が急務であり、半分国策としての製造って感じのものでした。 過去にアビガンっていう新型のインフルエンザが発生した時の秘密兵器的な薬があったんですが このゾコーバも「完成したら政府が100万人分買い取るからはよ作れ!」的な感じの背景がある薬です。 効能的には 一般的なオミクロン株の療養期間が8日分であったのが7日分に短縮する。 デジタル的な書き方するなら「コロナ持続時間12.5%カットできる」という感じでしょうか。 これを見てそんなもんか?って思われる方多いかなと思いますが8日で自然治癒するウイルスを 即座になくすなんてのはぶっちゃけありえんのです。 この辺りはインフルとかのタミフルとかも同様、というかそもそも問題タミフルは5日間飲むわけで インフルエンザの療養期間ってそこまで長い話ではないでしょ? HIVとかC型肝炎みたいに治療しないと絶対治らない系のウイルスと、自然治癒があるウイルスがあって 今回はのは後者であってわざわざ使わんでも・・・ってなる人が結構いそうな気もします。 ニッチな例だけど 併用禁忌の薬リスト ピモジド キニジン硫酸塩水和物 ベプリジル塩酸塩水和物 チカグレロル エプレレノン、 エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアン チピリン エルゴメトリンマレイン酸塩 メチルエルゴメトリンマレイン酸塩 ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩 シンバスタチン トリアゾラム アナモレリン塩酸塩 イバブラジン塩酸塩 ベネトクラクス〔再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期〕 イブルチニブ ブロナンセリン ルラシドン塩酸塩 アゼルニジピン アゼルニジピン・オルメサルタン メドキソミル スボレキサント タダラフィル(アドシルカ) バルデナフィル塩酸塩水和物 ロミタピドメシル酸塩 リファブチン フィネレノン リバーロキサバン リオシグアト アパルタミド カルバマゼピン エンザルタミド ミトタン フェニトイン ホスフェニトインナトリウム水和物 リファンピシン セイヨウオトギリソウ(St.John'sWort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 ・・・まー多いこと多いこと。 一般人に分かりやすく説明すると、精神系の疾患、不整脈や血栓症、不眠症、高血圧、高脂血症、てんかんあたりの薬を飲むと 禁忌に引っかかることがあるから注意ねという話です。 頻度が高いところだと、セララ、リポバス、カルブロックとレザルタス、ハルシオンあたりかな? とにかく色々禁忌レベルの相互作用が多くて、使う前提条件が大変なのですね。 飲んでいる薬を把握していない相手には使いにくいっていうことです。 アドシルカが引っかかっているけど、レビトラ(バイアグラのような薬ね)使っているおじさんとかが申告漏れとかあったりしそう。 禁忌でなくても併用注意、使うべきではない対象っていうのはありまして。 具体的には妊婦は禁忌なんだけど、妊娠可能な女性に対して使う場合1週間は避妊することという条件付き。 まあ、コロナ療養中にそんなことするんか?という話はあるんだけど 治験については腎機能不全の人には行っていないのでデータがない→禁忌扱いではないので使ってはいけないわけではないが リスクについてわかんないから「ひとまず『見』に徹する」医師も多いんじゃないかなぁと。 また禁忌でなくても併用注意の薬も同じぐらいあるので、効果考えるとリスク取りなくないというのもあるかなぁとは思ったりしますね。 とまぁ、治療薬としてはとっても微妙な薬で 「使うかどうか選択肢ができるという点ではないよりはあった方がよいよね。今のところタダだし」 ってのが好意的に見たつかまるの感想 これがラゲブリオみたいに薬価収載されて、保険医療になったらこんなの使いたいって患者おるんか?ってところ。 ラゲブリオの1日薬価がが18000いぇんぐらいで5日治療期間を有する薬。 90000いぇんの3割って27000いぇん。薬価が同じぐらいとしたら、なくていいですって感じになりそうかなぁ? 頭に書いたように今回の薬は『完成したら100万人分国が買い取るから作って!』という背景があって この薬が効果がいまいちだろうが、使いにくいものであっても買い取ることが決まっている薬です。 治験データがいまいちで、リリースまでたどり着けるか怪しかったんだけど、ごにょごにょして通したとかいうはなしも。 結構政治的な側面もあるのでつつきだすときりがないので、この辺にしておきましょう。 あ、そうそう使える対象は12歳以上で軽症で発症後72時間以内が望ましいという感じです。 で、投与すると治るのでは無く、症状がある期間が短縮されるというものです。 誰にでも使えるわけでもないし、使ったからすぐ治るわけではない。 そういうくすりだよ、というのを頭に入れとくとよいかもしれませんよ。

2022年11月17日木曜日

冷え症と対策

急に気温が下がってきて冷え症な人にはつらい季節になってきたかと思います。 今回は冷え対策を食事と薬で行うにはどうしたらよいか?という話をしていこうと思います。 まぁ、先日名古屋の某所の健康相談で話した内容を文章化して残す感じってところで一つ。 食品によって体を温める食べ物、冷やす食べ物っていうのがあります。 状況によっては避けるとか進んで摂るとかしていくとある程度体質改善できるかもしれません。 肉類でも馬肉やカモ肉は冷やす方向に働きます。あまり食べる機会は無いとは思いますが・・・ 逆に温める系の肉としては豚肉、牛肉、羊肉など。 鶏肉はどっちかというと冷やす系になるのかな?と思います。 豚肉、牛肉は比較的取りやすいと思うので、迷ったら肉でいいのかもしれませんね。 続いて野菜 冷やす系の野菜は夏に取れたり、みずみずしい系のもの 温める系のは根菜だったり、匂いが強い系の葉物など 具体的には冷やすものはナス、トマト、きゅうり、白菜など 温めるものとしてニンジン、レンコン、カボチャ、ねぎ、にらなど 秋ナスは嫁に食わすなという格言がありますが、これはわりとエビデンスがあるもので 体が冷えることで妊娠しにくい状態になるというものから来たはなしのようですね。 果物も似たような傾向があって、やっぱり水っぽいものは冷やす傾向にあります 冷やすものとしてすいか、メロン、なし、みかん、バナナなど 温めるものとして桃、栗、あんず、ナッツ類、さくらんぼなど 調味料なども塩や白砂糖は冷やす系だったり、香辛料や黒砂糖、酒、酢なんかは温める系だったりします。 飲み物 緑茶、コーヒーは冷やす系のものであり 紅茶やウーロン茶などは温める効果があります。 ざっくりこんなところでですが、発酵食品は全般的に温める系の効果があると思ってもらえればわかりやすいかな? 調味料だと塩よりは味噌、醤油とかのほうがよかったりするし、塩でも塩麴とかのほうがよかったりするとか。 一方冷え症に対する薬 こういうのは漢方薬が得意な領域なんですが、一応西洋薬でもなくはないです。 一番一般的なのはビタミンE。成分名的にはトコフェロール、商品名はユベラ。 血流を改善する効果が期待できます。 あとはヘプロニカートとかもあるんだけど、適応症が結構難しいので保険通すのはなかなか難しいかもしれません。 一般医薬品に入っているものはあったりするけどもね。 漢方 冷える場所によって結構変わってきます。 当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸、真武湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯とかがメインかな? 状況によっては葛根湯なんかも使ったりします。 マニアックな漢方医だとアコニンサン、ブシ末といった生薬系の薬を追加することもあります。 これらはほかに伴う症状とかで使い分けしたりするのですが、この辺りは専門家に聞いてみるとようでしょう。 症状体質によって使い分ける必要があるので注意ね。

2022年10月27日木曜日

エクセラーゼ終了のお知らせとシナール出荷調整

医薬品の出荷調整、生産中止などのお話 エクセラーゼっていう消化酵素剤がありまして、それが今月こんなお知らせがありました https://www.meiji-seika-pharma.co.jp/medical/product_med/item/000032/upload/revision/supply_news/000032_SUPN_20221011.pdf ざっくり略すと「度重なる薬価改定でどんどん薬価が下がった結果、採算取れなくなったからやめるわ」 ってところなんでしょうかね? 元々エクセラーゼってカプセルがあって、それが生産中止になって今は錠剤だけになったんだけど これも中止になってしまうみたいです。 国っていうのは医療費、特に医薬品の値段を圧縮したいというのはあるので、昔からある薬だとそれが何度も薬価改定でつぶされて 本来の最低薬価である10.1円を下回る5.7円まで下がっていった。 そりゃ、営利企業なんだからやってられんよって話になりますよね。 ちなみにエクセラーゼに限らずこういう消化酵素剤っていうのは、お年寄りには結構人気でして 当たり障りないけど何となく飲んでいると調子がいいって感じの薬で出ることが多いです。 飲まなくても別にいいだろ、と薬剤師的には思うんだけども、飲む当人からしたら無いと不安であるみたいです。 エクセラーゼが無くなると他の同系統の薬(サワイのマックターゼとか)に負荷がかかるんだけども すでにそっちの方は数年前から供給安定してないので、どうなるのかなぁと思っています。 治療目的というより、何となく不安っていうやつのほうが対処が難しいというのはあるんですよ。 お年寄りに現場でごねられるととんでもなく時間がとられるんです・・・・ それと10/25にシナールが出荷調整がかかりました。 https://www.shionogi.co.jp/med/download.php?h=9dd1f5e7f7d7d4761b0c6dd7a723ea9b メーカー曰く「出荷量は変わってないけど使用量が増えたから足りなくなっている」 らしい。 使用量が増える理由ってあんまり思い浮かばないんだけど、あるとするならば 「保険で美容!」ってやつなのかもしれませんね。 シナール、トランサミン、ハイチオールとかビタミン剤関連を適当な理由を付けて処方箋を切るところって結構あります。 医師というのは理由がなければ薬を保険処方箋で出すことはできないんだけど、理由というのは付けることができるというのがミソ トランサミンだと 全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向  ( 白血病、再生不良性貧血、紫斑病等、及び手術中・術後の異常 出血) ○局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血  ( 肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、前立腺手術中・術後の 異常出血) ○下記疾患における紅斑・腫脹・そう痒等の症状   湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹 ○下記疾患における咽頭痛・発赤・充血・腫脹等の症状   扁桃炎、咽喉頭炎 ○口内炎における口内痛及び口内粘膜アフター 適応がこんな感じだけど、湿疹があって何となく赤いってことにすれば出せますし シナールだと 本剤に含まれるビタミン類の需要が増大し,食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患,妊産婦,授乳婦等),炎症後の色素沈着 なので、こんなの主観だけでなんとでも出せるでしょうというはなしです。 なので「市販品を買うより、処方箋で貰った方が安い」みたいなユーザーが医師に話をして出してもらうみたいな流れが進んだのかな?と ・・・まぁトランサミンはジェネリックを含めコロナの咽頭痛需要の絡みもあってシナールより先に品薄になってたりするんですが どう見ても美白関連で飲んでいる人が「なんで入ってこないの!そんなことでは困る!!」という話もあったりで 実際矢面に立つ薬屋は結構なストレスになったりしています。 こういう薬は市販でもあるし、そっちの方が実際性能が良かったりするんですが 「安い」とか「保険を使った裏技使った私、かしこい!」とかのほうが強いってのがなぁ・・・ ましてや公費医療の人とかだったらタダなんだし、そういう傾向ってさらに強くなるのかもしれんです 結構、こういうのってあるので新卒の人がショック受けたりしますね。 制度っていうのはあれば悪用する人がいるから、ね。

2022年9月15日木曜日

ラゲブリオ市販化

先月一回も更新無かった。 ごめんね。 ちょっとメーカーの文書を https://www.msdconnect.jp/wp-content/uploads/sites/5/2022/09/lagevrio_notice_access.pdf コロナの治療薬であるラゲブリオという医薬品があります。 これが9/16から薬価収載されることになりました。。 今まではコロナにかかってこの薬が必要だと判断された場合、患者の同意を得ることで投与することができ その薬については国から支給されるという形になりました。 指定薬局が国から来た在庫を備蓄しており、それを患者に提供するという形ですね。 9/16から通常の流通ルートに乗る形になるので、薬局が在庫するには問屋から購入することになります。 国から提供されたものと一般流通品ではパッケージが違うようで、国から提供されたものを買い取れということには ならなくてよかったねというところなんですが、これ以降の在庫というのは問屋から買ってねとなるのかなぁと思います。 ちなみに薬価は2357.8いぇん。 1回の治療で40カプセル使うので94312いぇん。 今はコロナの治療については公費なので患者負担というのは発生しないんですが 現在全数調査やめようという流れとか5類にしようとかいう話もあったら、自己負担額が発生してくることになります。 そうなるとこれの三割負担として28000いぇんぐらいの支払いが発生することになります。 ラゲブリオは患者の同意が必要なので、これの金銭的な話をしていくことになると思います。 この値段で重症化リスクのなさそうな人だったら、使わなくていいとかいう選択もあるんじゃないかなぁ? ワクチンとかも無料ならやるけどそうでないならやらないっていう人も多いと思いますし。 個人的にはもうちょっと鎮静化してからじゃないと切り替えは難しいと思いますが、WHOは「終わりは見えた」と言っておるのですよね。 https://news.yahoo.co.jp/articles/ee52e8a0ed59d5840fab95c74ea5bb65cf431a72 結構的外れなこと言うことが多い(個人の感想です)ので評価に困るところですが、日本に関してはもうちょいかかるんじゃないかなぁと 5類になろうが、終息宣言出ようがやることは変わらないので継続して対策はしていきましょう。

2022年7月28日木曜日

カロナール欠品と変わりの薬のお話

カロナールの出荷調整が発表されましたね。 2017年ぐらいにアセトアミノフェンの原末の製造過程でやらかしが発生して、カロナール以外のアセトアミノフェンの製造がとまって カロナールがそのあおりを食らって欠品しそうになったことがありました。 結局その時は特に欠品は起こらず流通してたので、カロナールすげーな!ってなってたんですけど 今回はそのカロナールが「需要がヤバい」っていう理由で生産が追い付かなくなっているみたいです。 生産が止まっていないのに出荷調整ってそうそうないんだけど、それだけヤバいっていうことなんでしょうね。 さて、ここでカロナールってなんぞやという話をしてみましょうか。 アセトアミノフェンというい成分で解熱鎮痛剤で使われます。 強さとしてはそれほどではないんだけど、安全性が高いのがウリで、小児に対しても使いやすいというのがメリット。 強さとしてはそれほどではないと言いましたが、その分用量の上限が大きく、一日の上限量は4000mgとか。 いや、実際そんなにでているのって見たことないんだけど、それだけ安全性が高い薬という話です。 困ったときにとりあえずカロナールっていう出し方が多くて、それでぽんぽん出ているから足りなくなってきているのでしょうね。 あと人間の心理として、コロナが流行っているみたいなのでいざかかった時に前もってもらっておこう(今使わないけど)ってのも 結構ある話だと思います。 ちなみに市販品のアセトアミノフェンだとタイレノールが一般的なんですが、これはずっと供給が安定していないし 入荷した端から売り切れてしまいます。クソが! とはいえ、カロナールが足りてないのにカロナールをくれ!というのもナンセンスなのである薬で対処することになります。 一番近いところだとイブプロフェンなんでしょうか。 市販ルートだと一番メジャーどころなのでは?イブとかノーシンピュアとかそういうやつ。 アセトアミノフェンの代わりにイブプロフェンを使ってもいいのか?という質問があるかもしれないのですが 「何ら問題ない」 です。 やってることはそんなに変わらんし、どっちかというとイブプロフェンのほうが強い感じだし。 用量守って使うならば全然問題ないです。 ではロキソプロフェンはどうか?という話になってくる。 「使い方と対象による」 という感じになります。 普段からロキソプロフェンを使っている、過去に使って問題なかったという人であればこっちのほうがむしろいい感じ。 ただし、胃腸障害の副作用っていうのはあるのであんまり長期間(2週間を超えるとか)を連用すべきではないし そういう場合は胃薬とか併用した方がいいというところ。 効き目自体はこっちのほうがいいし、そもそもカロナールが効かない場合はこっちに切り替えることも多かったりするので 使ってダメってことは無いです。 ただし、15歳以下の小児や妊婦に対しては安全性のデータが無いのでお勧めしないという話。 カロナールが出荷調整というのは結構な衝撃なんですが、打つ手がないという話では無いのである薬を使っていきましょう。 あとは、基本的な感染症対策っていうのは継続していくことですね。 コロナの治療薬をはよ作れ的な話をちらほら聞くけど、予防に勝る対策ってないし 治療薬があるからかかっても安心とはならんのだ。 予防がしっかりしてれば発熱外来がパンクしないという話はあっても、治療薬があるから発熱外来がパンクしないという 話はないですからね

2022年6月9日木曜日

やせ薬のはなし

最近ツイッターのタイムラインに漢方のやせ薬的な使い方とか、糖尿病薬のそういう使い方が上がっているので ちょっとそういうのについても書いてみましょう。 保険医療で医療用医薬品を処方箋だして調剤してもらうということは、ルールがあってそれを守って使うことになります。 例えば防風通聖散とかは適応に 腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症: 高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘 とあるので肥満症に対して、すなわちダイエットに使うことが可能です。 こういう漢方薬だと防巳黄耆湯とかも使われることがあってこっちの適応は 色白で筋肉軟らかく水ぶとりの体質で疲れやすく、汗が多く、小便不利で下肢に浮腫をきたし、膝関節の腫痛するものの次の諸症 腎炎、ネフローゼ、妊娠腎、陰嚢水腫、肥満症、関節炎、癰、せつ、筋炎、浮腫、皮膚病、多汗症、月経不順 とあって、これまた肥満症の文言があるのでこれも使うことは可能です。 ただ、成分とかは違うので体質や症状によって使い分けが必要だったりします。 一般的な話をすると便秘や脂肪太りならば防風通聖散、むくみがあって水太りタイプなら防巳黄耆湯を使います。 なので、「これを飲むとやせるって聞いたから」ってことで防風通聖散を飲み始めたら 「飲んだら下痢した。これは副作用じゃないんですか?」みたいな話があったりします。 つかまる「そりゃそうじゃ」 防風通聖散って半分下剤みたいなものだから、下剤を飲んで下痢をしたってだけで何がおかしいんだ?って話なのです。 「やせる」というのは結果であって、薬がどういう効果が出るからやせるっていうのを理解していないとこういうことが起きます。 漢方薬の中でも葛根湯、ヨク苡仁湯、麻杏ヨク甘湯、通導散、麻黄湯とかをダイエットに使うことがあります。 が、葛根湯の適応は 自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こり等を伴う比較的体力のあるものの次の諸症 感冒、鼻かぜ、熱性疾患の初期、炎症性疾患(結膜炎、角膜炎、中耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ腺炎)、肩こり、上半身の神経痛、じんましん ヨク苡仁湯だと 関節痛、筋肉痛 これしかありません。 肥満症なんてことはどこにも書いてないんですが、入っている生薬に代謝をあげて食欲を落とすマオウが含まれているので 使うことでやせ薬として効果があったりします。 保険通すために肩こりとか関節痛があるということにして処方したりすることもあったりします。 成分的にダイエットとして使えるので、これを合法的に保険通すために肩こりとか関節痛の患者ということにするということをやっていたりすることもあります。 ・・・まあ、これはダイエットに限った話ではないんですけどもね。こういう薬が出したいから病名を付けるっていうのは割と常態化してたりしますし。 とはいえ、これは医師がきちんと診断して出しているんだったらまだいいんですよ、 問題になるのは 「友達が〇〇医院でこういう薬を飲んでいる、わたしにも出してほしい」っていうのをそういう知識のないかかりつけ医師に頼むこと。 医師からしたら何で効くのかわからんというのを処方しろという話なのでねぇ。 でも、医師っていうのもサービス業的な側面もあるから、押し切られて処方してしまうこともあったりします。 このあたり結構危ないよなぁと薬剤師的には思っているんですけど、「やせる」という事象のみ求める人からみたら気にならないのかなぁ? 漢方ではなくて最近はメディカルダイエットという名前でGLP-1作動薬を使わせるものがあります 3つのポイント Point1診療はオンラインで完結 Point2最短当日到着 Point3初診でもすぐに受診可能 とか 運動不要 食事制限不要 外出不要 オンライン診療 とか GLP-1メディカルダイエットの特徴 GLP-1は、血糖値が上昇した際にインスリン分泌を増やすため、低血糖を起こしにくくなります。また、血中の血糖値をコントロールしたり、食欲を抑制するはたらきもあります。 といいことしか書いていないんですよね・・・。 元々糖尿病の治療薬として開発された薬なので頻度は0.1%程度とはいえ、膵炎や低血糖などの重篤な副作用ってあったりしますし。 本来はダイエット目的で開発されたものではないので、ダイエットで使うと副作用の保障対象外なのですよね。 そういうリスクを全部知ったうえでやるんであればいいんですけど、そう言うのを知ろうとしないのに使うのは危ないよと思います。 もしもそういうのを試してみたいのであれば一度専門家に聞いてみたほうがいいと思いますよ。

2022年5月25日水曜日

保険証とマイナンバーカードのお話

加算と政策誘導の話。 マイナンバーカードを保険証として使えるようになって、それが進むと保険証自体がなくなる そんなニュースが世間に出てきています。 これについて反対しているネットデモ的な活動もやってるみたいなんですが、与党を叩く材料として 使っているだけなのかなぁという感じがしてうーん・・・ていう感じになっています。 まずは国としてのマイナンバーカードの目的について 現在健康保険とか運転免許など身分証明と連結する情報がバラバラになっている。 このデータベースをいろいろ楽になるし、マイナンバーカードさえあれば全てできるようにしたい。 さらにいうなら銀行口座情報なども紐づけする事によって、税金関連の納付や給付金などの支給などにも 役に立てたらいいなぁという話 給付金支給するのにインフラコストが支給金額よりでかいとかだと意味ないからね。 と、国としてはインフラ整備するために導入したいんだけど 現状特に困っていないのに新システムを導入するのはかなり難しいはなし。 マイナンバーカード普及が全く進まなかったのでマイナポイントっていう実質お金のばらまきをしました。 マイナポイント取り扱い会社に結構テコ入れして色々広告うったりしてるみたいですが。 6月から保険証と口座の紐づけでポイントを付けるというキャンペーンを開始するとのこと。 国としてはお金を払ってでもやって欲しいのですね。 マイナンバーカードを保険証として使えるといいますが、実際現場としてはまだ読み取りの機材がそろっておらず なかなか進んでいないというのが現状。 Q 医療機関で保険証をマイナンバーカードで使うと余計にお金がかかるって本当? A 本当です。 こう書くと「高くなるならやめる!」という日ともいると思いますがちょっと話を聞いてほしい。 上に書いたように人っていうのはメリットがないのに動こうとはしないのです。 マイナンバーカードを作ってもらうためにマイナポイントを付与するとかそういうやつね。 医療機関からみたら読み取り機器を置いたり、新しい制度について理解して導入するってのはそれはそれで苦痛。 患者さんに「使えますよ!使ってください」というのは医療機関の仕事。 なにもメリットがないのにそれをやれと言って動くわけがない。 診療報酬に加点付けるから医療機関にCMよろしくねっていう感じの制度だったりします。 で、これが事実なんだけど一部切り取って悪意ある感じでメディアが騒ぐもんだから取り下げようかって動きになってます。 選挙も近いし、納得いかん人も結構多いだろうからね。 医療に対する加算って結構理不尽なものあったりするのでなかなか難しいです。 在宅医療頑張っている所は地域体制加算、後発品頑張っているところは後発品体制加算という点数が付きます。 でも、在宅医療とか関係ないとか先発希望の人からみたら高くなるだけっていう風に感じることもあるため 別に薬がちゃんともらえれば薬局が頑張っていようが関係ないっていうのはあってしかるべき。 このあたりを一般の人に理解してもらえる日はくるのでしょうかねぇ?

2022年4月9日土曜日

ちょっと前にあったおはなし

はい 4月から複数店舗で働くことになったつかまるです。こんにちは。 今回は先日Twitterで上げた話題についてちょっと書いてみましょう。 処方箋で ミカムロ配合錠AP 1錠 朝食後 30日分 というのが来ました。 テルミサルタンとアムロジピンという薬が合わさったいわゆる合剤っていう薬で 以前ならば2錠飲まないといけなかったのが1錠で済むという薬なのですね。 患者的にも薬局的にも便利な薬なんですが、ジェネリック医薬品の供給問題が発生して 現在この薬は先発後発問わずなかなか入手できない状態になっています。 とはいえ、患者さんには薬が必要なわけで「ありません」では済まないわけです。 仕方ないので入手できる薬に変更するように処方医にお願いすることになりました。 結果 【般】テルミサルタン錠40mg 1錠 【般】アムロジピン錠5mg 1錠 朝食後 30日分 という内容になりました。 要は成分ごとにひとつずつ薬剤を使うことにして、同じ量にしたんですね。 入荷状況を説明し、効能自体は変わらないという話をして患者さんには納得してお出しすることになりました。 ここで処方医から伝言が 「処方変更になった関係で20円クリニックのほうで支払いが発生するので来てください」とのこと これを患者に伝えたら納得いかない様子。 ・すでに支払いが終わっているところに対して追加の支払いが発生するのがわからない ・薬がなくて処方変更になったのは薬局に在庫がないからであって、処方変更自体自分が望んでいるものではない 20円というは大した額ではないのであるが、金額の問題ではなくて納得がいかないことに対して支払いが発生していることが問題。 こうなると解決策というのがなかなか難しい。 結論から言うと 処方自体はそのままで、患者さん本人がミカムロ(もしくはそのジェネリックのテラムロ)があるところを探すことにして 処方箋自体をお返しするという形になりました。 さて、なんでこんなことになったかといいますと 【般】テルミサルタン錠40mg 1錠 【般】アムロジピン錠5mg 1錠 ここの部分なのですね。 【般】ってなんだよという話になるんですが これはそのあとに書かれている成分であればどのメーカーで出しても問題ないというものを指します。 先発で出してもジェネリックで出してもいいし、ジェネリックなんて多いときは20社ぐらい出しているから、薬局としてはありがたい表記。 ジェネリックメーカーで処方箋書いてあると先発しか在庫がなかった時に出すことができないので、柔軟性の高い表記なんですね。 で、こういう処方箋の書き方をすると医師側にもメリットがありまして 処方箋に1つあると5点、2つ以上あると7点処方箋の発行料に加算されます。 何にもうまみないのに「こうしろ!」なんてのは通らないので、これは必要経費。 ただ、これってのは患者負担にも反映されるので、今回の例みたいに出しなおした結果7点(70円)加算されて、その3割分で20円患者負担が 発生するというのは患者にとってはデメリットではあるのですね。 今回の例だとやむを得ない変更ではあるし、医師としては取れる加算をとって何が悪いという話ですけども 患者からしたら納得いかないという流れになるのもわかるなぁとは思います。 薬局としてはルールと薬の流通状況を考えたらこの20円はやむを得ないということなんですけども 納得いかないというのもわかるし、そもそも薬の欠品がなければ発生しないわけではあるので患者さんの言い分もわかるのです。 なので選択肢としては ・システムを理解して20円はらってもらう ・自分でミカムロが用意できる薬局を4日以内に見つけてそこで調剤してもらう という感じで患者さんにパスするになるのかなぁと思います。 後者のコストってどう考えても20円では済まないと思うんですけどもね、時間的なものを考慮すると。 今回の患者さんは紳士的な人であったので、ゴネ倒したりしなかったのですごく好印象でした。 医療機関の明細見るときに処方料を一度確認してみるとわかることもあるので、興味がある方は見てね!というお話でした。 医療報酬って専門家でないとよーわからんからねぇ。

2022年3月14日月曜日

なんでくすりがないの?

薬が入ってこない問題ををちょっと詳しく書いてみようと思う。 まず日医工とかのジェネリックメーカーってもともと製品回収とかたまにあったりしたのよね。 そうこうしてたらこういう事件がおきた 小林化工の業務停止処分 https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG097I20Z00C21A2000000/ 水虫の薬に睡眠薬が混ざるっていう前代未聞の不祥事が発生。 それに対して詳しく調査したら500品目390品目に虚偽記載が発覚して116日の業務停止処分となった。 お上「どうなっとるんだ、これ。これを期に他社も厳しくチェックするか」 ってことで各社チェックしたら出るわ出るわ。 最大手の日医工が一か月の業務停止命令が出るぐらいのやらかしが判明。 抜き取り検査して不良品がでた→ちょっとまった。同ロットの別のサンプルで通ったからヨシ! とか 不良品が出たけど、これを原材料として再利用してもええやろ とか 仕様書と違うことやっているので当然工程がちゃんとやれるようにあるまで製造中止なんですよね。 今まで出回っている医薬品を回収し、お上が作ってヨシ!となるまで作れない。 そうなると半年とか1年とかの単位で穴が開くってことになります。 お上の監査に引っかかった会社っていうのは日医工だけではないですし、業務停止に至らなくても 製品の回収せよっていうお達しっていうのも結構あったわけで、そうなると製造がストップするというものがあるわけで。 薬が製造されなくなっても需要は減らないわけで、そうなると製造されなくなった分をどうにかしないとならんわけで。 生きてるジェネリックもしくは先発品でフォローっていう形になるんですが・・・ 現在のジェネリック普及率っていうのが大体7~8割ぐらいだったりします。 薬っていうのは基本売れ残って廃棄っていうのがあんまりないわけでして、ジェネリックのうちの半分がつぶれたすると 全体の3~4割ぐらい薬が手に入らなくなります。 こういう品薄が発生すると先回りして買い占めようっていう動きが否が応でも起こるわけで そうすると品薄がものすごく加速して、一瞬で手に入らなくなるんですよね。 今発生しているのがこういう状況。 比較的無事なメーカーとかもがあるんだけど 「今までのお得意様に出す分しかないので新規のお客様に出す分はないです」 「ほかの会社のせいで品薄になっているので出荷規制することになりました」 とかそういうことになってて、供給が全く安定しないんですよね。 先発メーカーも同様な状況。全体の需要に対して全メーカー足しても3割足りないとなるとさすがにそうなるよね ・・・という話。 もちろん増産はしていると思いますが、それだけでは追いつかないというのが現状です。 この花粉症の時期にアレグラのジェネリックが枯渇するという状況になってたりいますしね。 20年ほど薬屋で働いているけどこんなことは初めてなのでよっぽどやべえってことでしょうね。 ご迷惑おかけしますがよろしくお願いします。

2022年2月13日日曜日

花粉症の目薬(医療用)の特徴について

そろそろ花粉症の症状が出てきている人も増えてきていると思うので 今回はアレルギー用の目薬について書いてみようと思います。 飲み薬について書こうかなと思ったんですが、こっちのほうは流通が結構やばくて 記事を書いたはいいが薬自体が手に入らないっていうのが結構あったりしてですね・・・。 アレロックとかオノンとかはジェネリックを含めて手に入らないので他の薬にしてよ!ってなってます。 では早速 クロモグリク酸 インタールっていう先発品があったんだけど2年ぐらい前に製造中止に。 ジェネリックのみ存在するっていう薬。 即効性という点ではあまり期待できず、どちらかというと予防用の薬。 先発メーカーが作るのやめる程度には古い薬なんですが、市販薬ではまだ使われる成分。 こだわりがない限り選ばないほうがよい、というか薬局も今は持ってないかもしれん。 ケトチフェン 先発品はザジテン。これは市販品、ジェネリックもあって結構息が長い成分。 即効性もそれなりにあるので使いやすく、比較的安価なのも〇。 ただし、性能がいいのがあとからどんどん出ているのでそのあたりは症状と相談。 効果があればこれでもいいと思います。 市販でも使われる トラニラスト 先発名リザベン、トラメラスというもの。 クロモグリク酸と同じく予防用の目薬なので即効性はそこまでないですが 症状が軽い人が前もって使うとよいっていうタイプの薬です。 またトラメラスはPFっていう特殊容器にすることで防腐剤が入っていないものもあります。 コンタクトレンズの上から使っても大丈夫っていうものがあります。 こいつに関しては上記の目薬にない利点ではあります。 アシタザノラスト 先発名ゼペリン。予防系の目薬なんだけど結構マイナー系の薬。 トラニラストより後からでて、効果は強いみたいんだけど販売力があんまりないのか そこまで動くイメージがない。 防腐剤が特殊でコンタクトに対して多少優しいっていう感じではある。 市販に使われる。 ぺミロラスト 先発名アレギサール、ぺミラストン。これも予防系の目薬 最大のメリットは1日2回でよいというもの。 コンタクト使う人に対してははめる前、あとに使えばよいっていう説明できるのは〇。 結構高かったんだけど今はジェネリックならそれほどでもない。 レボカバスチン 先発はリボスチン。ケトチフェンの改良品とみていい即効性が結構高い薬。 懸濁剤となっておりよく振ってから使用すること。 若干刺激があるとされているが、使っていればそこまで気にならないとのこと。 ただ、後述する薬のほうが効能的には高いので、中途半端で今はあんまり使われない。 オロパタジン 先発はパタノール。飲み薬だと先発名はアレロック。去年ようやくジェネリックが発売されたくすり。 ケトチフェン、レボカバスチンのさらに改良品的な薬。 使用実績、値段などを考慮すると一番バランスが取れているものじゃないかなぁと思ってます。 特に理由がないならばこれを選んでおけ的なやつかな? エピナスチン 先発はアレジオン。これも去年ジェネックがでた薬で、紹介する薬の中で一番新しいもの。 効果が高く、防腐剤が入ってなくてコンタクトの上から使っても問題ないっていう高性能品。 ただしお高い。ジェネリックが出てきたのでそっちならばちょっと安いんだけど メーカーによっては防腐剤問題が解決されていないものもあるので注意すること。 アレジオンLX 有効成分自体はアレジオンと同じなのだけど、製材工夫することによって1日2回で済むようになった。 防腐剤関連もクリアしてるので性能としては一番高いんだけど、お値段もとんでもなく高い。 1本3380いぇん。3割負担でも1000いぇん超えるってのはどうなんすかね? アレルギー関連の目薬はこんなところだけど、この辺で症状が治まらないときはステロイドを使います。 フルオロメトロンが一般的で0.02、0.05、0.1%の3種類あって重症度と医師の好みによって濃度が変わる感じです。 これについては症状がひどい時だけ使う感じで、よくきくからといって漫然と使うのはNGな。 今回はこれぐらいでひとつ。

2022年1月4日火曜日

オミクロン株と世界の感染状況。


あけましておめでとうございます。
最近では月一更新とかいう状態になってきていますがやれる範囲でやっていきたいと思います。

さて、12月はコロナの感染状況も落ち着いてきましたが年末ぐらいからオミクロン株が市中感染でも出てくるようになりました。
これについては出てくるのは仕方ないお話です。
感染力だけみたらかつて猛威を振るったデルタ株よりも数倍上だったりしますし。
にもかかわらず去年の夏と比べて医療体制へのダメージほぼないも同然であるというのが結構すごいところ。

まぁ、デルタと違って重症化のリスクがかなり低い為長期入院することもないというのもあるし
現在増え始めたとはいえ1日の感染者数が800程度(正月明けると増えるかもしれんけど)で夏のピークが25000人。
医療体制は感染状況が改善したからといってすぐになくすという事もないのでまだ余裕はある状態だったりします。

ちなみに現在一番ヤバいところはアメリカで1日50万人のペースで新規感染者が出ています。
率とか考えるとイギリスも15万人ずつふえているのでかなりやべえことになっているわけですが。

これの差というのは水際での防疫体制を敷いたのが早かったことが一つあります。
これは政治的にいろいろ叩かれたりもしましたが、感染拡大の抑制という点では評価できると思っています。
例外事項が結構あってガバいという話はあるけど、それはそれでやらないよりは全然よいですし。
あとはワクチンをきちんと調達して接種できている事と国民が比較的モラルが高いことが上げられます。
年末とか満員電車だったりするけど、マスクを付けていないひとはいなかったりだし。
飯屋も人数制限とかパーテーションや消毒を十分やってたりするし。
中にはノーマスククラスターデモとかやっている人もいますし、SNSではおかしな人いますが
主流派は防疫に対して理解がある人が多いし「みんながやっているから自分もやらないと」という国民性がプラスに働いて
いるのかなぁと思っています。

去年の年末にラゲブリオ(成分名モルヌピラビル)という飲み薬が認可され、すでに流通していたりします。
認可から流通のスピードが異様に早かったという印象ですね。
使い方としては既存の薬だとタミフルに近い感じで、診断がついたら一日2回服用で5日飲み切りというもの。
販売はボトル単位で、1人分が1ボトルとなっており在庫としては持ちやすくて薬局的には嬉しいところ。
効果をざっくり説明すると「コロナウイルスによる入院、死亡の確率をだいたい半分ぐらいまで減らす」というもの。
一般人からみて治療薬といえば「使ったら治る」というように思われるかもですが、実際には「ないよりはまし」程度の
ものであり、治療薬があるからといってワクチンを打たなくてもいいというものではないのです。

タミフルの添付文書にも
インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチンによる予防であり、本剤の予防使用はワクチンによる予防に置き換わるものではない

と頭に書いてあります。

治療薬があるとはいえ感染防護はした上で、それでも食らったらやむを得なく使うものだと思ってください。

それでは今年もよろしくおねがいします。