2024年1月22日月曜日

今日あったお話

オンライン受診の患者さんで服薬指導が終わって
つかまる「はい、ではいつもの時間につくように送っておくのでよろしくお願います!」

患者「はい。よろしくお願いします。・・・あ、そうそう」

つかまる「...なんでしょう?」

患者「近々外国に旅行に行くにあたって薬の説明書きを医療機関にお願いしてて」

つかまる「はい」

患者「それって医療機関の方から一緒に届くって感じでいいんですかね?」

つかまる「んー、ちょっとそういうの聞いてないですね。医療機関から依頼があれば薬と一緒に送ることもあるんですが確認しておきますね」

患者「そうですか。よろしくお願いします」

つかまる「ちなみにどこに行かれるんです?」

患者「ハワイですね」

つかまる「・・・ハワイ、ですか」

患者「・・・??」

つかまる「・・・いつも飲まれている薬の中にアメリカに持ち込めない薬がありまして。これって中止するわけではないんですよね?」

患者「え?そうですね。そのために医師に書類を書いてもらっているんですが」

つかまる「うーん・・・調べてみますが書類があっても駄目だと思います。ちょっと医師に問い合わせてみるのでお待ちください」



つかまる「ということでもしもし? かくかくしかじかで薬を変えてほしいのと薬の説明書きも変えてほしいんですが」

事務「・・・え、そうなんですか!?医師に伝えますのでしばらくお待ちください」


しばらくして

事務「薬を変更することになったんですが何に変えたらいいんでしょうか?」

つかまる「そうですねぇ。同じ強さってなると難しいんですが持続時間とか考慮すると〇〇ですかねぇ」

事務「わかりました。ありがとうございます!」


つかまる「そういうわけで代わりの薬が出ました。滞在中はこっちを使ってください」

患者「ありがとうございます。お手数おかけしました」


と、いうのが実際あったやり取り。仮にこれをスルーしちゃってたりすると。

・見つかると懲役にになるレベルの持ち込み禁止薬物を持って入国することになる
・医師から「間違いなく持っています!」っていうお墨付き文書を持っているから余計やばい

とかいう目も当てられない状況が想定されるわけでして。
本来ならば医師がアメリカの規制物質法に引っかかるってことを知っておくべきだとは思うんだけども
それをうまいことフォローするのが我々の仕事でもあるってことだわね。

でもまぁ。今回は患者さんが書類のことを言ってくれたからひっかけれたけどそうでなかったら無理でした。
いい方に転がることもあるもんだね!


2023年10月24日火曜日

サワイってなにやらかしたの?

先日報道もされてたんですが、結構前々からお役所が検査しておりましてようやくプレスリリースされました。


https://www.sawai.co.jp/release/pdf/614


詳細はプレスリリース参照なんですが、少し説明すると


薬っていうのは溶出試験という「水に入れてかき混ぜたらちゃんと溶けますよ」という試験がある。

これは作ったときにもやるし3年間保存した製剤でも行います。

有効期限ぎりぎりに使ってもちゃんと溶けますよ!っていうアピールしないと品質が分からんからね。

で、2017年に3年たった製剤で行ったら不合格出たんだけど、それだとロット回収とかになってくる。



そこで


カプセルを一回開けて別のカプセルに詰め替えして再試験。

きちんと溶けたからヨシ!

ってやってしまったみたい。

なんというか「何見てヨシ!って言ったんですかねぇ?」案件なんですよね。


ちなみに日医工は

試験通らなかった→同じロットで再試験→溶けたからヨシ!ってのをやって御用になってます。

まぁロット全部通らんような品質で作ってたら大問題だから、たまに適合しない程度ならば通っちゃうシステム

そういうのをはじくための制度なんですけどね、これは。


実際問題、サワイのその商品、3年たったら試験に通らない品質だったので今年の7月に全ロット回収している薬だったりする。


本来ならばもっと前にそういうことやっておかないとならなかったはずなのに

「きちんと溶けたからヨシ!」と試験結果をごまかしていたから詳しく調査がはいったという話です。


報告書を見ると2010年ぐらいから似たようなようなことが「上司の指示で」あったということなので

結構根深い問題ななぁと思います。


こういうのが1件でてくると余罪の追及ってのが行われるだろうから

今回で終わりではなくて、これが始まりって感じになりそうです。

サワイだけじゃなくて他社にも調査は入るだろうし・・・


サワイはこのままいくと日医工と同じ感じになるんじゃないかね?

回収と製造終了のラッシュに備えよう。



余談

10/24の午前の部で4.5%株価下がっているなぁ。

今後の株価も見守りたいところ。


余談その2

このタイミングでサワイの爆弾に火を点けたってのがなぁ。

事態はもっと前から分かっていたと思うけど、日医工と一緒に爆破するとジェネリック界隈が滅ぶから

今まで引っ張っていた感はある。個人の感想ですけどもね。

日医工が完全復活したわけではないけどもう待ってられないというのはあるのかもしれないね。

2023年9月21日木曜日

薬がないとどうなるの?

 薬がないときの対応について

最近、といってももう数年になるんですが医薬品の供給が安定しません。

特にひどいのが咳止めとか抗生物質とかコロナで使う薬とそこから派生する薬剤といいますか。

処方箋が発行されて、それが薬局に持っていったとして、その薬が薬局になかった場合の対応については書いてみましょう。


・いわゆる医療機関の前にある薬局でその医療機関の薬をもらう場合

基本的に門前薬局ってのはその医療機関と医薬品の在庫についての情報を共有しています。

なので、処方した薬がないってことはまずないです。

処方箋切ったのに薬がありませんでは医師側に文句が行くから、その辺は配慮して処方箋は出していたりします。


ただし、薬を用意できないのは薬局や製薬会社が悪い!薬価収載にある薬をだしてなぜ悪い!っていう医者は稀にいます。

もしくは情報提供が不十分だったりとか、そういう情報収集しないところだと「市場に存在しない薬」が出ることもあります。


・処方箋をもらって、その医療機関に関係ない薬局でもらう

これは結構問題なることが多いです。

かかりつけ薬局という観点では、かかる薬局は統一していったほうがいいんだけど、これについては薬が円滑に手に入るのが

条件だったりします。

患者が常連さんなら、ある程度親身に対応することになります。

そこがチェーン薬局ならば多店舗にないか調べてみたり、処方箋の発行医療機関のそばならば持っているだろうということで

その薬局に融通してもらえるように話を付けたりとか。

もしくは処方自体の変更を処方医に打診したりということもあります。

ただし同系統の薬が手元にあるというのが条件。変更する提案もないのに電話かけると医師も困るでしょうし。

考えが浅い医師だと「なんで門前でもらわないんだ」ってことを平気で言ってくることあるんですけどもね。


持っている薬局に融通してもらうっていうのは、このご時世、結構嫌がられます。

必要だから在庫しているわけであって、余っているっていうわけではないですからね。

在庫はあるけど出したくない、とか、無いことにして断ったりするっていうことは実際あったりします。


うちでは用意できないから門前に行ってくれっていうのも言う側としては結構つらい。

行った先で在庫がなくてたらいまわしになったら目も当てられないですからね。


と、実際の薬局の状況でした。
こういうことが分かっていると少し患者さんも落ち着いてくれるかなぁ?
そうだといいなぁ

2023年8月24日木曜日

ロキソニンシリーズ新商品など

 薬剤師って資格は取ってさえしまえば悪い事して抹消されない限り一生消えない資格。

これは運転免許と同じなんだけど、ペーパードライバーでは車の運転が難しいのと同様で

薬剤師も知識のアップデートしていかないと、ペーパー薬剤師になってしまします。

薬の知識もありますが、薬局の実務ってのは薬の事知っていればいいもんではなくて

話の持って行き方、話の聞き方なんかもあるし、薬事関連法規のアップデートとかも必要。


今月の頭に書きましたが、コロナにおけるオンライン受診の暫定措置の解除と新しいルール

改訂とかは、薬の知識ではないけど知っていないとお仕事できないという案件。

法律とかも自分の仕事にかかわるところはある程度頭に入れておかないとね。


今回はOTCのお話。

ロキソニンSという痛み止めはあるんですが、この夏に色々新商品がでることになりそうです。



今出ているロキソニンシリーズについて

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/brand/loxonin-s/


ロキソニンS

痛み止めのみ。医療用のロキソニンと同じもの


ロキソニンSプラス

酸化マグネシウムを追加。胃を保護するのと水分を錠剤に引き込むので溶けるのが早く効く(メーカーの意見)

胃を保護する成分が入っている&早く溶けるのは正しいんだけど、胃に優しくて早く効くかはどうかな?と思う。


ロキソニンSプレミアム

Sプラスに鎮静剤を加える事で効果を高めたもの。ただし色々薬を増やした為1回2錠飲む必要がある

お値段も当然高くなる。眠くなってもよいから効果が高い物をという人向け


ロキソニンSクイック

Sプラスと成分は同じであるが錠剤の構造を改良して「クイックブレイク製法」を採用。

水に触れると即座に溶ける系のもになった。0.1秒でも早くというのが売りみたい。

当然Sプラスよりも大分お高い。


ロキソニンSプレミアムファイン←New!

Sプラスにシャクヤクエキスとヘスペリジンを入れて生理痛に特化した形。

シャクヤクエキスが痛み止めに入ることは過去にもあった(ハッキリエースとか)のでわからんでもない。

普通のロキソニンでイマイチ効果が・・・という人むけかなぁ?と


とまぁ、色々ある。

医療用だと痛み止め単品しかなくて、オプションパーツってのはつかないんだけど市販のものだと色々つけれるのよね。

マイナーチェンジバージョンを色々出せるのはメリットなのかもしれない。

きちんと説明できると売り分けもしやすい。


外用薬についても

ロキソニンSシリーズにはテープ、大きいテープ、パップ(湿布タイプ)、ゲル、ローションとある。

これについては医療用にも同様なものがあったりします。

市販だとそれに追加でロキソニンEXシリーズというのがあります。


違いはなにか?というと

「メントールが入っていて使った時にスーッとする」


・・・いや、マジで。

もちろん医療用のロコアテープとかにも鎮痛剤の効果を増強するためにメントール入っているから

ちゃんと医療的には効果があるということらしい・・・んですよ。

まぁ、スーッとするというのは効いた感じはするのでお好みでどうぞというところなんでしょうか。


ここに8/22に追加商品のプレスリリースが2つ


https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/release/loxonin-ext230822.html

ロキソニンSテープの温感タイプが発売に。

これは医療用にはなかったんですよね。なかったというかロキソニンで温感は無かったのでジェネリックメーカーが

つくって発売しているというもの。

だから「ロキソプロフェンテープ(温感)」ってのが処方せんででても先発品は存在しないというものだったり。

これが発売されると医療用でもロキソニンブランドで温感が発売・・・されんな、多分。

慢性的な痛み、特に腰痛とかはこっちの方が良いかもしれんね


もう一つ

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/release/loxonin230822.html

ロキソニン総合風邪薬なるものを発売。


これはある意味画期的。ロキソプロフェンが入った総合感冒薬って今までになかった。

医療用で薬を組み合わせて風邪の症状を抑えるとなると使うことはあるんだけど、総合感冒薬だと

PL顆粒とかがいまだに幅を利かせているという状況。

圧倒的に性能がいい風邪薬ができる(副作用には気を付けないとならんけど)感じなのかもしれませんね。


しかし、成分名というか痛み止めの商品名を風邪薬の名前に持ってくるとはなぁ。

風邪薬については分量などの細かいスペックがでたらまた取り上げたいと思います。

2023年8月3日木曜日

オンライン受診とマイナ保険証のはなし

 オンライン服薬指導について。


コロナの流行によって通院するということが感染リスクになるため、オンライン診療ってのが進みました。

あくまで建前としては実際に通院すると人混みによる感染が問題になるためであって、行くのが億劫であるというわけではないんですが。

感染状況がピークと比べてだいぶ落ち着いてきてますが、便利になったものを元に戻すというのは難しく

オンライン診療がヤメになるということはないようで、そのまま続けていくことになりました。


このコロナの時の特例として、服薬指導は電話での応対で良かったのですがその特例措置が7月で終わり。

8月からはビデオ通話でつながなければならなくなりました。

まぁ、電話だと薬剤師ではない人が電話してもぶっちゃけわからんし、患者も本人でなくてもわからんからね。

もちろんビデオ通話だからといってなりすましができないわけではないんだけど、顔出しするとなるとリスクもある。


わたしは店舗のオンライン受診担当のほとんどをやっている(通常業務と並行して)んだけど、結構手間が多いですね。

まず、今まで電話で良かったのをビデオ通話になるというのを患者に伝え無ければならないのが一つ。

患者サイドからしたら電話なら出れるけどビデオ通話できないという状況はあるからタイミングを選ぶというのもある。


大半のオンライン患者はスマホ持っているんだけどガラケーの人もいたりするし、IT系に弱いお年寄りもいるので

結構今後の変更点というのの周知で引っかかるところも出てくるんじゃないかなと思います。


でもまぁ、技術的に問題なくやれて、支払いもクレジットでやれる人にとっては結構便利なシステムになるんじゃないかなぁと思います。

コロナの特例措置ってのは3か月に一度はリアルに診察受けるようにというのがあったんだけど

8月からそれが撤廃された感じもあるので、オンラインでの比率も増えるんじゃないかなぁ。

つまり、自分の仕事が忙しくなるという話なんですけど。


オンラインだと医療機関も薬局も「場所」ってのがあまり関係なくなってくるから、薬局のバランスとかにもかかわってくるかもね。

もちろん薬の送料の問題はあるので、実際に薬局行く人も減らないとは思うけど、手間考えたらペイで来てしまうのかな?

極論、いわゆるカリスマ薬剤師がオンラインも受け付けています!って感じで予約が殺到・・・なんてこともありえるのかなぁ?

かかりつけ薬剤師っていう制度あるけど、オンラインだと「指名」しやすい状況にはなるかもしれません。


厚労省が言う対人業務の強化というのにこういうのもかかってくるんじゃないかなぁと思います。


もういっちょ小ネタ。マイナ保険証の話。

反対している側の人が馬脚を現した感がありますね。


保険証って顔写真って原則載っていないので身分証としては中途半端だったりするのですよね。

性別と年齢が大体合っているならばなりすましを防ぐことって医療機関ではほぼ不可能だったりします。

なので、顔写真があるマイナンバーカードに保険証機能を付けるとそういうなりすましの敷居がかなり高くなります。

マイナンバーカードのシステムが信頼できないというのはわからんでもないけどもね。

保険証とそれを使った保険診療っていうのは性善説を前提にしているシステムなので

食い物にしようと思えばどれだけでもできてしまうというのがあります。

保険証だけでは無くて母子や障害の医療証ある人がそれを貸与すると、自己負担なしで薬が手に入ってしまします。

薬が手に入ったらフリマサイトやもっと裏の方で換金・・・なんてことができてしまうんですね。

マイナ保険証だと通院歴とかもわかる(患者の了解は必要)ので、あまりに不自然な診療があれば突っ込みを入れることができます。

お薬手帳とかがきちんとつけてあればそこで突っ込めなくはないんですが、悪いことやっている証拠を持ち歩くわけないものね。


「精神科の通院歴とか知られたくないだろうからこの制度はクソ!」

みたいなことを言っている医師をTwitterで見ましたが「お前は何を言っているんだ?」となりました。


よりよい医療を提供するにはそういう情報があった方がいいわけだし

守秘義務ってのがるから他にばれることはなし、ばれたならその人の刑事的な問題なわけだから論点が違う。


「前回の日数から薬がまだ残っているはずなんですが、どうしてかかったんですか?」

みたいな指摘ができるようになるから、転売とかしているのであればだいぶやりにくくなるとは思います。

・・・まぁそれを確認するのは薬局とかになるので、逆切れした患者とバトル!っていうのは発生するんですが・・・。


過去に医療機関AとBの処方箋を一緒にもってきて、AとBに同じ睡眠薬が最大量で出ていたので患者に

「薬がかぶっているみたいなので医療機関Bに問い合わせて削除してもらいますね」

と、患者に伝えたら

「そんなことするんじゃない!処方箋通り薬を出せ!」

いや、それはできません。問い合わせた結果OKならば薬は出ますので(無理だと思うけど)と言ったら

「だったら処方箋を返して!」

ってなったことはあります。


正直なところ、後ろめたいことやっているならばれないようにやれよ・・・はなしで

この患者がアレなだけだとは思いますが、監査体制がガバいのでこういうのは結構あるんじゃないかなと思います。


医療費削減にはなるかもしれんけど、トラブルの矢面に立つのは俺たちなんだよなぁ



2023年7月6日木曜日

ドレニゾンテープ無くなるってよ

 7月第一週、Twitterの閲覧回数制限が実装され、これでは使い物にならない!ってことで移住先を探す人があらわれました。

移転先の一つとしてMisskeyというこじんまりと有志が手弁当でやっているSNSが上がっていましたが

大量の移民が現れて受け入れを中止、みたいなことが起こっていましたね。


これを見ててここ近年の薬の流通事情そのまんまじゃんって思いました。


一般的な流れとして

そこそこシェアのあるジェネリックメーカーやらかしてそこのユーザーが難民になる

→難民が他メーカー(先発を含む)の薬を求める

→もともとのユーザーを保護すべく、メーカーは新規の取引を中止する

→そうはいっても難民は薬局に来るわけだから在庫があるところのを消費する

→トータルのパイは減っているので難民でなかった人が難民化する


こんな感じ。


で、今週頭にドレニゾンテープというケロイド治療や重症アトピーに使うステロイドの貼り薬が急遽販売中止を発表。

なんかしらんが「海外の原料を作っているところが製造をやめちゃって、自社で何とか作れんか検討したけど無理だった」

ということらしい。

在庫が無くなるのは来年の4月ぐらいとのことなんですが、すでに在庫確保が進んでて

代替薬であるエクラープラスターがドレニゾンテープ販売中止の2日後に出荷調整すると宣言


以下久光製薬HPより引用

さて、外用副腎皮質ホルモン剤「エクラー🄬プラスター20 ㎍/㎠」(以下、本製剤)におきまして

本年 7 月より他社の同種同効薬が販売中止の案内を開始したことにより、本製剤の需要が急増して

おり、今後もさらなる需要の増加が見込まれることから、この度、限定出荷をさせていただくことと

なりました。

なお、本製剤の増産に向けた対応を急いでおりますが、現在の出荷量では新規のご採用並び

に医療機関からのすべての受注に対応できないため、当面の間、他社の同種同効薬をご使用の

患者様は、ご処方を継続していただきますようお願い申し上げます。


引用終わり


今は困っていないけど将来的に手に入らなくなるから先に手を打つ→在庫不足が加速する。

こういうのが最近の薬業界で継続的に起きてまして、売れる分しか作らないっていう業界だと

ちょっとしたトラブルが致命傷になるのだなあと。


あと小ネタをもう一つ

タリージェの薬価が8月から改定されるとのこと。神経性疼痛の薬ね。

後から発売になったタリージェODの値段よりなぜか高く設定されているのが原因かと思ったら

5月に「やたら売れているみたいだから薬価を下げます」っていうリストが作られていたみたい


タリージェ

リリカ

エンレスト

ベージニオ

イブランス


この5種類。通常の薬価改定の時期以外に下げるっていうのはあまりないんだけども、ね。

薬局サイドからすれば7月→8月になった段階で在庫薬の評価額が下がるのでそのタイミングでは在庫を持ちたくない

というのはあったりします。

今月末らへんに上記の薬をもらいにいくと在庫がないからちょっと待ってねって言われるかもしれないです。

極論7/31に処方箋貰って当日薬局に持って行って「薬がないから後日お渡しします」となった場合であっても

旧薬価で計算されたりする。

逆に処方箋を1日寝かせて8/1以降に出すと新薬価で計算される。急がないならばそうした方が

ちょっと医療費減らすことができるかもしれませんよ。


今回はここまで

2023年6月8日木曜日

最近流行りの麻疹について

大分久しぶりの更新になります なんか最近麻疹があちこちで発生しているみたいですね。

GWの時に新幹線に乗っていてる人で見つかったり、千葉とか大阪の市街地に行ってた人が感染していたとか 大阪の例 産経新聞より引用 
大阪市保健所は7日、市内の医療機関で20代の女性ら2人が麻疹(はしか)と診断されたと発表した。
1人は不特定多数の人と接触した可能性があり、保健所が注意喚起している。今回の2人を含め、国内での感染確認は10人目。
 市保健所によると、女性は5月22日午後6時半~同8時ごろ、同市天王寺区の商業施設「天王寺ミオ」の 本館7階に滞在。翌23日に発熱し、26日に医療機関を受診。その後はしかと診断され、医療機関が6日に届け出た。 

千葉の件 千葉日報より引用 
千葉市は7日、20代男性=中央区=がはしかを発症したと発表した。発熱や発疹などの症状が出たが、既に回復済み。 
県内でのはしか発生は4年ぶり。 市医療政策課によると、男性は5月24日から発熱や発疹の症状が出て市内医療機関を受診。
 市環境保健研究所の検査で6月2日にはしかと診断された。感染経路は不明。 

さて、なんでこれが問題になっているかといいますと 
・麻疹は感染力がとんでもなく強い 
・大人がかかると命にかかわることがある。 
というはなし。

感染力が強いというのはどれぐらいかというと 空気感染、飛沫感染、接触感染のいずれでも感染する。 
空気感染ってのがヤバくて、新幹線の同一車両とかスーパーの同一フロアというだけで感染する可能性がある。
 免疫がない人が感染するとほぼ100%発症するというのもある。 
幸い日本でははしかの予防接種というのがあるので、してさえいればある程度防げるのですが
していない人ってのがそれなりにいるようで、そういう人がうっかり拾うと大変なことになります。 

感染症には基本再生産数という考え方があって放置した場合、どれぐらいの人に伝染するかという指標。 
これが1を超えた状態で放置すると感染症が広がって大変なことになるわけです。 
コロナのひどかったころの全国平均が1.2ぐらい。流行地域は2.5ぐらい行くところもありました。
じゃあ麻疹はどうか?といわれると12~18とかけた違いの感染力だったりします。
もちろん予防接種のおかげで実質そこまで感染するという訳では無いのですがそうでない人や 免疫切れている人がいたら大惨事になります。 
症状について。厚労省のHPより 感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。
2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。 肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。 
死亡する割合も、先進国であっても1,000人に1人と言われています。 

とのこと。

 症状自体は風邪のひどい奴で各辺はいると肺炎とか脳炎に移行するかんじね。 
子供がかかる分には軽く済むというのもありますが、大人になると状況悪くなることが多いです。
 予防が最優先される病気ではあるんですが、万が一それっぽい症状があって、状況証拠もある場合 直接医療機関に行くのはNGです。
かかりつけ医もしくは保健所に電話で問い合わせるべきです。 
・・・とはいえ、自覚症状があまりなければ風邪で医者にかかることもあるかもしれないけども...
 普段からそういう情報を意識して取得するようにするとか、罹患歴があるかとか予防接種したことがあるかとか 調べてみるのも大事だと思います。
 実際問題なかなかよけられるもんじゃないかもしれないけど、知っていればある程度備えることができるので この機会にどういう病気か調べてみるとよいでしょう 

厚労省の麻疹のページ https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html 

ちなみに麻疹は五類感染症。コロナと同格扱いなんだけどコロナよりは全然手ごわいと思いますけどねぇ。