2022年4月9日土曜日

ちょっと前にあったおはなし

はい 4月から複数店舗で働くことになったつかまるです。こんにちは。 今回は先日Twitterで上げた話題についてちょっと書いてみましょう。 処方箋で ミカムロ配合錠AP 1錠 朝食後 30日分 というのが来ました。 テルミサルタンとアムロジピンという薬が合わさったいわゆる合剤っていう薬で 以前ならば2錠飲まないといけなかったのが1錠で済むという薬なのですね。 患者的にも薬局的にも便利な薬なんですが、ジェネリック医薬品の供給問題が発生して 現在この薬は先発後発問わずなかなか入手できない状態になっています。 とはいえ、患者さんには薬が必要なわけで「ありません」では済まないわけです。 仕方ないので入手できる薬に変更するように処方医にお願いすることになりました。 結果 【般】テルミサルタン錠40mg 1錠 【般】アムロジピン錠5mg 1錠 朝食後 30日分 という内容になりました。 要は成分ごとにひとつずつ薬剤を使うことにして、同じ量にしたんですね。 入荷状況を説明し、効能自体は変わらないという話をして患者さんには納得してお出しすることになりました。 ここで処方医から伝言が 「処方変更になった関係で20円クリニックのほうで支払いが発生するので来てください」とのこと これを患者に伝えたら納得いかない様子。 ・すでに支払いが終わっているところに対して追加の支払いが発生するのがわからない ・薬がなくて処方変更になったのは薬局に在庫がないからであって、処方変更自体自分が望んでいるものではない 20円というは大した額ではないのであるが、金額の問題ではなくて納得がいかないことに対して支払いが発生していることが問題。 こうなると解決策というのがなかなか難しい。 結論から言うと 処方自体はそのままで、患者さん本人がミカムロ(もしくはそのジェネリックのテラムロ)があるところを探すことにして 処方箋自体をお返しするという形になりました。 さて、なんでこんなことになったかといいますと 【般】テルミサルタン錠40mg 1錠 【般】アムロジピン錠5mg 1錠 ここの部分なのですね。 【般】ってなんだよという話になるんですが これはそのあとに書かれている成分であればどのメーカーで出しても問題ないというものを指します。 先発で出してもジェネリックで出してもいいし、ジェネリックなんて多いときは20社ぐらい出しているから、薬局としてはありがたい表記。 ジェネリックメーカーで処方箋書いてあると先発しか在庫がなかった時に出すことができないので、柔軟性の高い表記なんですね。 で、こういう処方箋の書き方をすると医師側にもメリットがありまして 処方箋に1つあると5点、2つ以上あると7点処方箋の発行料に加算されます。 何にもうまみないのに「こうしろ!」なんてのは通らないので、これは必要経費。 ただ、これってのは患者負担にも反映されるので、今回の例みたいに出しなおした結果7点(70円)加算されて、その3割分で20円患者負担が 発生するというのは患者にとってはデメリットではあるのですね。 今回の例だとやむを得ない変更ではあるし、医師としては取れる加算をとって何が悪いという話ですけども 患者からしたら納得いかないという流れになるのもわかるなぁとは思います。 薬局としてはルールと薬の流通状況を考えたらこの20円はやむを得ないということなんですけども 納得いかないというのもわかるし、そもそも薬の欠品がなければ発生しないわけではあるので患者さんの言い分もわかるのです。 なので選択肢としては ・システムを理解して20円はらってもらう ・自分でミカムロが用意できる薬局を4日以内に見つけてそこで調剤してもらう という感じで患者さんにパスするになるのかなぁと思います。 後者のコストってどう考えても20円では済まないと思うんですけどもね、時間的なものを考慮すると。 今回の患者さんは紳士的な人であったので、ゴネ倒したりしなかったのですごく好印象でした。 医療機関の明細見るときに処方料を一度確認してみるとわかることもあるので、興味がある方は見てね!というお話でした。 医療報酬って専門家でないとよーわからんからねぇ。