2022年10月27日木曜日

エクセラーゼ終了のお知らせとシナール出荷調整

医薬品の出荷調整、生産中止などのお話 エクセラーゼっていう消化酵素剤がありまして、それが今月こんなお知らせがありました https://www.meiji-seika-pharma.co.jp/medical/product_med/item/000032/upload/revision/supply_news/000032_SUPN_20221011.pdf ざっくり略すと「度重なる薬価改定でどんどん薬価が下がった結果、採算取れなくなったからやめるわ」 ってところなんでしょうかね? 元々エクセラーゼってカプセルがあって、それが生産中止になって今は錠剤だけになったんだけど これも中止になってしまうみたいです。 国っていうのは医療費、特に医薬品の値段を圧縮したいというのはあるので、昔からある薬だとそれが何度も薬価改定でつぶされて 本来の最低薬価である10.1円を下回る5.7円まで下がっていった。 そりゃ、営利企業なんだからやってられんよって話になりますよね。 ちなみにエクセラーゼに限らずこういう消化酵素剤っていうのは、お年寄りには結構人気でして 当たり障りないけど何となく飲んでいると調子がいいって感じの薬で出ることが多いです。 飲まなくても別にいいだろ、と薬剤師的には思うんだけども、飲む当人からしたら無いと不安であるみたいです。 エクセラーゼが無くなると他の同系統の薬(サワイのマックターゼとか)に負荷がかかるんだけども すでにそっちの方は数年前から供給安定してないので、どうなるのかなぁと思っています。 治療目的というより、何となく不安っていうやつのほうが対処が難しいというのはあるんですよ。 お年寄りに現場でごねられるととんでもなく時間がとられるんです・・・・ それと10/25にシナールが出荷調整がかかりました。 https://www.shionogi.co.jp/med/download.php?h=9dd1f5e7f7d7d4761b0c6dd7a723ea9b メーカー曰く「出荷量は変わってないけど使用量が増えたから足りなくなっている」 らしい。 使用量が増える理由ってあんまり思い浮かばないんだけど、あるとするならば 「保険で美容!」ってやつなのかもしれませんね。 シナール、トランサミン、ハイチオールとかビタミン剤関連を適当な理由を付けて処方箋を切るところって結構あります。 医師というのは理由がなければ薬を保険処方箋で出すことはできないんだけど、理由というのは付けることができるというのがミソ トランサミンだと 全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向  ( 白血病、再生不良性貧血、紫斑病等、及び手術中・術後の異常 出血) ○局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血  ( 肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、前立腺手術中・術後の 異常出血) ○下記疾患における紅斑・腫脹・そう痒等の症状   湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹 ○下記疾患における咽頭痛・発赤・充血・腫脹等の症状   扁桃炎、咽喉頭炎 ○口内炎における口内痛及び口内粘膜アフター 適応がこんな感じだけど、湿疹があって何となく赤いってことにすれば出せますし シナールだと 本剤に含まれるビタミン類の需要が増大し,食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患,妊産婦,授乳婦等),炎症後の色素沈着 なので、こんなの主観だけでなんとでも出せるでしょうというはなしです。 なので「市販品を買うより、処方箋で貰った方が安い」みたいなユーザーが医師に話をして出してもらうみたいな流れが進んだのかな?と ・・・まぁトランサミンはジェネリックを含めコロナの咽頭痛需要の絡みもあってシナールより先に品薄になってたりするんですが どう見ても美白関連で飲んでいる人が「なんで入ってこないの!そんなことでは困る!!」という話もあったりで 実際矢面に立つ薬屋は結構なストレスになったりしています。 こういう薬は市販でもあるし、そっちの方が実際性能が良かったりするんですが 「安い」とか「保険を使った裏技使った私、かしこい!」とかのほうが強いってのがなぁ・・・ ましてや公費医療の人とかだったらタダなんだし、そういう傾向ってさらに強くなるのかもしれんです 結構、こういうのってあるので新卒の人がショック受けたりしますね。 制度っていうのはあれば悪用する人がいるから、ね。