2019年12月31日火曜日

年末年始

大晦日ですがみなさまいかがお過ごしでしょうか?
こちらはしめ作業とかやってます。
このくすりのはなしも今年最後の記事を書いていこうと思います。
今回は年末年始の薬局の状況について。
医療機関っていのは軒並みやっていないんだけど、薬局はやっているところもあったりします。
弊社は3日まで休みなんだけど、やっているところもあります。
ここで困ったことになるのは処方箋の期限のはなし。
発行から4日間が有効期限でそれを超えたら無効です。例えば今日は大晦日なんだけど、12/28の処方箋までは有効で
それより前のものは無効なのです。
行こうとしたら薬局がやってなかった、っていうのは言い訳にならないのでお気をつけください。
やっているところは少なからずあるので、探してみるとよいかもしれませんね。
一番困るのは薬局はやってるけど医療機関はやっていないっていう状況のはなし。
処方箋持ってきたが期限切れてて出せない。じゃあどうすればいいんだ!っていうことになるんだけども。
ルール自体は変わっていないんだからそれを知っていないってのがいけませんねぇ。
なので期限のある処方箋を持っている場合は早めに持って行ってあげてください。
1/1にやってるというところもあったり無かったりするからねぇ。
一応、薬局側に「急ぎだから開けろ!」という連絡して開けさせることもできなくはないんだけど、高くつきますし
働いている人の休みがつぶれるという話なのでなるべくやめてあげてね。
いや、ほんと休み少ないんですよ、この業界。
軽微なものならば市販の薬でもなんとかなったりすることがあるのでこっちも活用してあげてください。

と、今回は短めだけどもこんなところで。では皆さん良いお年を

2019年12月23日月曜日

ビバンセについて追記。


流通管理委員会にいろいろ提出した結果、わたくしもビバンセを取り扱っても良いようになりました。
データベースが見えるようになったんですが、あまりに処方できる医師は少ないのですね。
12/23現在で延べ60人、実質全国に40人いないというありさまで処方できる医師がいない県も結構あったりします。
この制度が出来たのが今月の頭であり、書類等の不備があったとはいえ、わたしが登録終わるまでに2週間程度かかったってのもあるんだけどね。
このビバンセについてざっくりと説明しますか。
・適応は18歳未満のADHDの患者。大人には使えない。
前にビバンセについて書いたときに引用リツイートで使ってみたいみたいなこと書いてた人がいたけど大人には出ないからね。
・小児のADHDなんだけど6歳以下の安全性が確立されていないため、あまり年齢が低いと出ないと思う。
実際問題12~18歳限定で、選ばれた医療機関のみ使えるって感じですね。
・薬の実態としては「制御できるレベルで覚せい剤を投与して集中力を高める」っていうもの。
患者さんには悪いんだけど、こんなものは使わないに越したことは無いんだけども、使えるならば使ってなぜ悪い?っていうのもわからんでもない。
コンサータで済むならばそれに越したことはないので、コンサータでダメだった場合という状態に限られるのではないだろうかね?
・流通管理体制がくっそ厳しい。麻薬とかよりも厳しいレベル。
処方箋が来たら裏取りしないとならない。裏取りできなきゃ出せないっていうか状況によっては警察に通報ということもある。
麻薬とかだと偽造処方箋でワンチャン詐取も可能だけど、これは薬局がルール遵守していればそういうことが起こりえない。
薬局がルール守らないとペナルティが当然あり。一回ペナルティ食らうと二度と管理者としての申請はできないって書いてあった。
患者にも「わたしはビバンセ使ってます」カードみたいなのが発行され、それを持っていないとその段階で門前払いされる。
ADHDの患者だとなくしちゃうこともあるような気もしますが、適応が小児しかないから保護者が管理する形になるんだろうかね?

流通管理体制理解してないと偽造処方箋でなんとかっていうこともあると思うんだけど、そういう浅はかなことをするとパクられるから注意ね。
・処方可能医師って流通管理委員会にログインしないと見れないような気がするし、扱い薬局ってリストあるのかしら?
仮に処方がでたとして、扱える薬局ってのがなくてウボァーってなるような気がしますね。
医師ですら40人ぐらいなんだから、薬局ってもっと少ないんじゃないんかなぁ?
ちかくの医師から「ビバンセ出すから準備しといて」って言われた薬局の管理薬剤師がとる感じなんかね?
だいたいこんなところかな?
裏取りのやり方についても書いておきますか。
・医師が診察して、処方が出す場合データベースに処方内容及び患者のイニシャルを登録し処方箋を患者に渡す
・薬局に処方箋をもっていく。この時に「わたしはビバンセ使ってます」カードを提示する。提示しない場合薬局は「帰れ!」と言ってよい。
これについては処方箋をたまたま拾ったとかそういう状況で詐取を防ぐって感じなのかな?
・薬局はデータベースに該当処方箋が載っているいることを確認する。確認できない場合は偽造の可能性があるので委員会に連絡する
処方医が資格持っていないって場合もあるんだけどもその場合、処方医師がリストに載ってないからその時点で処方箋を預かる。
患者には医師が資格ないから出せないよっていう話をする(薬局の窓口で揉めそうな予感がするなぁ)
きっちり運用すれば漏れはないと思うんだけど現場のやることは増えますよねぇ
こんなところで今週は終了
また来週お願いします。

2019年12月15日日曜日

割増料金

医療機関での割増料金。
今年もあと半月になりました。年末年始ってあんまり関係ない仕事ではないんですが

さて、皆様は病院や薬局はいつかかっても値段が同じというわけではないというのはご存知でしょうか?
実際は夜間休日加算と時間外加算というものがあってそれが付くと高くなります。
今回はこれについて書いていきましょう。

まずは時間外加算
これは営業時間外に行くとかかる加算。
いわゆる手数料的な部分の点数が二倍になるというものになります。
ただ、これは「薬局が閉めている状態から開けた場合」にかかるものであって、患者が多くて通常の営業時間を超えてしまった場合には
適応されません。
この業界のブラックなところなんですけど、営業時間が2000までとして2010に最後の患者の投薬目途がついて閉店しようとしたとする。
投薬終わったあと、さあ閉店するぞっていうタイミングで「まだいいですか?」って感じで入ってこられると時間外扱いにはならない。
もちろん、「営業終わったから今日は無理です」みたいなことは言えるんだけど、「応需義務が」みたいな面倒なこと言ってくる相手だと
間違いなく状況がこじれるのでそのままやったほうが早く終わることもあります。
ま、時間外加算っていうのはあんまり発生することはないです。タブンネ。
上に書いたけど手数料的な部分が二倍なので内容によって差額が違うよということです。

もう一つの夜間休日加算
こっちが結構理解が浸透していないのかなぁ?と思っています。
薬局の場合、平日1900以降、土曜1300以降、日祝は終日40点(3割だと120円)の加算が付きます。
これについては営業時間とかは関係なく、営業時間中であっても付きます。
ほかの業界でいうと、ファミレスとかで2200過ぎると10%増えるとか、温泉とかに日曜行くと100円高くなるとかそういうやつですね。
国が決めた公式ルールなので掲示する必要はないんですが、「そんなん知らんわ!掲示しとけ!」ってブチギレる人が何人もいたため弊社は貼っています。
これは時間外と違うのは定額っていうことね。
夜間休日加算ってのは比較的新しい制度です。
できた理由ってのがちゃんとあってですね。
医院は1700には午後診やらんし、薬局も1800には閉まってしまう
→働き方とかがいろいろ変わってきた結果、上記時間に閉まってしまうと困る人が出てきている
→それではこまるからもうちょっと営業時間延ばしてほしいなぁ
→報酬をつけるから営業時間のびないだろうか?
そんな感じで発生したものです。
色付けないと働いてくれないからね。
説明すればりかいできるかもだけど、知らないとなんでだ?って感じになるよねぇ。
ということで、今回はここまでまた来年よろしくお願いします。

2019年12月6日金曜日

ADHDのくすりがちょっとかわるよ

千葉に行っているので前倒し更新
ADHDのくすりの流通規制。
前に流通管理委員会がある薬の話を書いたのですが、それの最新版の話題。
コンサータっていうADHDの薬があるのですが、治療薬としてビバンセっていう薬が追加になりました。
これはコンサータよりも「面倒」な薬でして扱うにあたってお勉強しないとならんのですね。
このビバンセって薬の成分名はリスデキサンフェタミンというもの。
これだとパッとしないので英語名で書いてみますと Lisdexamfetamin
Lisdex amfetamin こう書くとわかるのかな? アンフェタミン(覚醒剤)のの親戚だったりするんです。
法律区分としては覚せい剤原料というカテゴリーで向精神薬よりも厳しい取り扱いで、このカテゴリーの薬はいままでで2種類目。
それぐらい扱いが厳しく、濫用の可能性が高いのでADHDっていうカテゴリーでまとめて管理することになりました。
今月からこの制度が出来て、移行期間は来年の6月まで。
コンサータについてはそれまでは取り扱えるのだけど、ビバンセは今回の制度変更の書類を出さないと扱えません。
処方せんが来ても「この施設は不勉強なためこの処方せんは受けられません」っていうのは薬剤師の名折れなので、わたしは昨日触ったところ。
まずこのシステムに入るには薬剤師の場合eラーニングをやった上でテストで3科目合格しないとダメです。
科目は
・ADHDについて
・コンサータとその流通について
・ビバンセとその流通について
このテストで100点取らないとダメ。まぁ再受験はできるんだけど、問題は固定ではないです。
最初の二つは一発で通ったけどビバンセは1問ミスで再試験になってしました。。

合格するとエントリーフォームが解禁され、誓約書にサインしてアップロード(紙で送るではなくアップロードしろって言われた)
して事務局に承認されると取り扱えるようになります。
今までのこういう系統の委員会より結構めんどくさい感じではありますね。
それで実際の診察、薬の交付の流れとしては
医師も同様のシステムに登録かける必要がある。
処方せんを交付する時に委員会のデータベースに処方せんの発行日、医師の氏名、医療機関名、患者のイニシャルと出した薬とに日数を登録する
患者は登録カードっていうのを持つことになり、薬局では処方箋と一緒に毎回提示しないとだめ。忘れると薬は出せない。例外はなし。
薬局はその提示されたカードと処方箋からデータベースの裏取りを行う。裏取りができない処方せんについては薬は出せない(これについては厳しいながら例外あり)。
偽造処方せんっぽい場合は処方せんを薬局で回収、委員会に連絡、状況によってはポリスに通報することも。
ざっくり書くとこんな感じですね。
抜け道は無いとは言えないけど、きっちり運用することを前提とするとすり抜けてやるとなると結構むずかしいんじゃないかなぁと。
上記照会作業が毎回発生するので結構時間いただくことになると思います。
コンサータ、ビバンセ出ている方についてはご理解いただけると助かります。
前にもでてても今回出てるかの突合とかもあるので、2回目はいけるでしょっていうこともないのです。
ぱっと思いついた抜け道っていうのは同じ処方せんをコピー取って印鑑をどうにかできればこのチェック方法ではすり抜けちゃうだろうなぁというところ。
薬局が調剤した場合のチェックってのが多分ないんだよなぁ、これ。あったとしても即座にチェックせずにあとからでいいやとかなると付け入る隙になったり。
説明して欲しい所や質問があれば随時うけますので、あればコメントやツイッターのほうでお知らせくだされ

2019年12月1日日曜日

医療費の負担額が上がる?

保険の話の時事ネタ
なんか後期高齢者の医療費があがるとかあがらないとかという話をしてるんですが、現在の保険医療の負担額について書いてみますか。
現状、原則6歳以下が2割、それ以上が3割、前期高齢者は所得によって1割、2割、3割、後期高齢者が1割もしくは3割
こんな感じ。
高齢者が結構まちまちだったりするんですが、これは所得によるものだったりします。
あくまでこれは原則であって、各自治体が補填する場合もあったりします。障害があったり、所得が少なかったりとかそういう場合ね
このあたりは自治体の裁量っていうのも多かったりします。
高齢者で3割負担というのは現役並みに所得がある場合というもの。自営業とか定年がないような仕事とかだと年齢はあんまり関係なかったりするからね。
意外といたりします。
子供に対する保険っていうのは自治体によって結構違ったりします。
中学生まで持つっていうところが多いけど、お金がない自治体だと小学校までというところもあるけど、お金持ちの自治体だと18歳まで持ったりします。
さて、後期高齢者でいわゆる年金で生活している人は基本的に1割負担なんだけどそれが2割にするぞっていう話なのですよな。
なんでこんな話が出てきているかというと、いわゆる団塊の世代が後期高齢者になるからっていうはなし。
もともと医療っていうのはいつでも金がないっていっているわけなんだけです。
団塊の世代っていうのは人口が多い層であるわけなんだけど、それが3割負担だったからそこまで問題にはならなかった。
が、そういう世代が1割負担になったら財政が火の車になるから、やっていけるように2割負担にしようということに。
ただ、制度として75歳以上の制度なので75歳であろうが100歳であろうが制度的には同じものであること。
新入りがいっぱい入ってきたから前にいた人の負担も増えるっていう状態なのよね。
どうだろう、既得権持っている人は文句もでる話なのかなぁ?と。年金問題とかだと当たり前のような話だったりするんだけど
医療ではいままでよく頑張ったのかもしれんね。
今までの支払いが倍になるから反対って言っている人もいるんだけども、それを言っている人がどういう人かっていうのは見ておいた方が良いかもしれませんね。
月額限度額っていう制度もあるのでそういう話をせずに金額の話をしている人いたら与党を殴りたいだけの人だぁってわたしは思ってしまいます。
年金高齢者の上限額って8000円/月とか18000円/月とかだったりします。まぁ年間の金額が倍になる的な話をいているかもしれんですけどもね。
とまぁ、いろいろ書きましたが公費で医療やるにしても財源が必要であって、対象者が増えれば必要な金が増えるっていうのは当たり前の話。
私自身はやむなしと思っています。すでに年金でも似たようなことやってるんだからね。
あんまり薬のはなしではないけど今回はここまで