2019年8月4日日曜日

エボラ出血熱の疑い?

今日は時事ネタ
厚生労働省から本日こんな情報が来ました
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06025.html
エボラ出血熱の疑いの患者がでたというお話なんだけど、日曜であっても即座に第一報がでるあってあたりすごいなぁとおもいます。

エボラ出血熱っていうと一般の方でもちらっと聞いたことあると思いますがちょっと紹介。
厚労省のページより
○ どのような病気か
エボラ出血熱は、エボラウイルスによる感染症です。エボラウイルスに感染すると、2~21日(通常は7~10日)の潜伏期間の後、突然の発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、咽頭痛等の症状を呈します。次いで、嘔吐、下痢、胸部痛、出血(吐血、下血)等の症状が現れます。
現在、エボラ出血熱に対するワクチンや治療薬の開発が進んでいます。

 ○ どうやって感染するか
エボラウイルスに感染し、症状が出ている患者の体液等(血液、分泌物、吐物・排泄物)や患者の体液等に汚染された物質(注射針など)に十分な防護なしに触れた際、ウイルスが傷口や粘膜から侵入することで感染します。一般的に、症状のない患者からは感染しません。空気感染もしません。
感染症なので何もないところでは発生せず、流行しているところに行ったりすると拾うことがある。
上のどうやって感染するかていうのにもあるけど接触感染によりおこり、空気感染はしない。
感染していても発症していなければ「一般的に」感染しないとあるんだけど、これはどうなんかね?
そうなのかもしれないけど、わざわざ書くということは混乱を避けるためのものなのかもしれませんね。
疑いって段階で情報出さなきゃいいかもしれんけど、それはそれで隠蔽だーとか言われるだろうし、このあたりの情報管理は難しいかも。
厚労省のHPにはあえて書いてないんだけどwikiでは致死率は50~90%とあります。
これは発生しているエリアの医療、衛生状態を加味した数値であり、日本みたいなきっちりした治療すればもうちょっと下がると思います。
多分30%程度の致命率ぐらいになるのではないかなぁと思っていたり。
感染症って原因があって起きるので、下手に移動させるとそれはそれで問題になったりしますからねぇ。
隔離ってのが原則であるので治療率が低くても現地でやらんとならんっていうのが心苦しい。
二次感染防ぐのは治療よりも優先される。そういうこともあるのでしょうからね。
もうちょっとエボラというか病原体について説明。
リスクグループとバイオセーフティレベルのおはなし。
リスクグループってのその病原体がどれぐらいやべぇかっていうレベル
リスクがほとんどないものがグループ1、インフルエンザクラスがグループ2
当然このエボラは一番やばいグループ4
バイオセーフティレベルっていうのはその病原体を扱うにあったてどれぐらいの設備が必要かというもの
これも4段階あって、エボラは当然の権利のごとくレベル4でないと取り扱えないというやつ。
とはいえレベル4っていうのはほとんどなくて日本だと実質国立感染症研究所村山庁舎だけで、この患者の検体はそこで調査中とのこと。
施設レベルが足りないと病原体が漏れ出すリスクがあるため、調べることができないっていうルールがあるのでこのああたり難しいと思いますね
過去の例で1987年(昭和62年)にシエラレオネ渡航者がラッサ熱に感染して日本に帰国し、帰国後に発病した事例がある。稼動中のBSL-4施設がなかったために、日本での確定診断・治癒確認が不可能で、検体をアメリカ合衆国に発送して確認を仰ぐ事態となった
ということがあった模様
あ、病原体の扱いと患者の扱いってのは違うからこの辺りは間違えないで下さいね。
これはあくまで実験室レベルの話で、こんなところに患者を入れるのは不可能だともいますし。
それぐらいやばい病原体ですよっていう話です。

治療法ってないの?っていう話なんだけど、あるにはあります。
アビガンっていう抗ウイルス薬が効くのではないのか?って言われております。
このアビガンはむかしぐぐたすの時にとり上げたんですがかなーり特殊な薬。
どれぐらい特殊かというと製造販売承認はでたが製造許可は出ておらず販売許可も出ていない。
どういうこと?という話なんですが
・既存の薬が無効な新型インフルエンザ用の薬として承認された
・マジやべぇ状況にならないと作ってはならないし売ってはならない
・催奇形性があるからあんまり使いたくはない。死ぬよりはましっていう状況でないと使ってはならない
そんな感じのくすり。
動物実験ではエボラに効果ありというデータあるんですが、人間に使った例は医療関係者が二次感染したときの3例のみっぽい。
一般的に使うにはむずかしいかも。
今回エボラだったとしてこの薬が使われるか・・・というとどうでしょうね?
日本の法律ではまだ使えないから特例措置でやるのかなぁ?

というところで今回はここまで。
また来週もお願いします。


1330追記
あまりに不安をあおる報道が多いので記事を書いたあとのわたくしのTwitterで書いたことをのっけときます

事実だけ書くと
・コンゴから帰ってきた人が熱がでて検疫でひっかかった
・診察した結果インフルのA型陽性
・患者と接触してないから大丈夫だろうけど、エボラのあり得る国なので念のために検査に出した。結果でるまでちょっとまって
こんな感じ。エボラ感染の恐れがあるっていうのはどうだろうかね? あたりまえなんだけど、現地で流行してるといっても感染患者は当然隔離されます。
隔離できずに全域で蔓延しているならば渡航制限がもっとやばいしメディアも騒いでるはず。
この条件でこの人がエボラである確率ってどれぐらいだと思いますか?
そういう話やぞ 確率として0.00001%ぐらいだとして
ほとんどありえんけどうっかりそうだった場合のリスクがやばすぎるのでそういうのを止めるためのシステムがあるというやつです。
ぱいぱーさんも言ってたけど
最初に診た医師が「あー、はいはいインフルね」で済まさなかったことがえらい。
渡航歴をきちんと確認してまずありえないだろうけど最悪の状況を意識してたちまわったのがえらい!

そう思います。
それをメディアが変な風に取り上げちゃうと・・・てのが問題


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