2019年4月2日火曜日

漢方薬って?


ぐぐたす最後の更新というか、見られるんだろうかってところなんですが。
今回は漢方薬について。だいぶ前にリクエスト来てたので

漢方薬ってのは正直薬剤師のわたしもよーわからん薬なんですよな。
ベーシックな葛根湯の材料を紹介すると
葛根、麻黄、桂皮、芍薬、生姜、大棗、甘草
これらの生薬を一定割合で混ぜて抽出した液ってのが葛根湯なんですが、液体だと大量に飲まないとならんので
そいつを乾燥させて顆粒や錠剤にしたものが一般的な医薬品として使われます。
西洋薬ってのは有効な成分が単一であり、単独で効果があるってものなんですが、漢方ってのはそういうのではなくて
単品では効果がなくて混ぜることで効果があるっていうものです。
生薬に含まれている有効成分っていう感じでより詳細で分析、単離して使うこともあるんですが微量に含まれている成分込みで
効果があったりするっていうファジーなところがあってなかなか難しいのです。
例えば甘草の主成分はグリチルリチンで合成も可能、麻黄もエフェドリンで合成可能。
こういう合成物を混ぜれば完全合成の葛根湯ができるのか?というとそうはうまくはいかないみたいです。
料理とかと同じで、生薬に含まれている微量な成分がうまいこと合わさった結果効能を発揮するっていう不思議な薬なんです。
このあたり傷寒論とか一応理論的な話もあったりするんだけど、結構ふわっとした話になって西洋医学とはちょっと違う学問。
気血水の流れが悪いとか滞っているとか足りないとか、そういう結構あいまいな話になってきています。
学問としては面白いんだけど説明しても胡散臭いと思っている人を納得させられるほど説得力があるもんでもないかなぁと。
もしそれだけ説得力がある理論体系だったらもっと広まっているでしょうし、保険請求から外されそうになるってこともないと思います。
勉強していくと料理の調味料の組み合わせみたいな感じでなんとなくわかってきたりはします。
だけど成分の科学的なエビデンスっていうのはほとんどなく、使ってみたら効いたっていう感じなものも多いです。
理論系というよりも感覚系な感じっていうとわかるかなぁ?このあたり説明が難しい。
使ってみたらよく効いたけど、成分をより細かく分けて分析したけどどれが効くのかわからなかったって薬は漢方でなくてもあります。
ノイロトロピンとかがそうなんですが、あれは単品では効かなかったが混ぜたら効いた。それ以降の分析はコスト問題もあってやってない。
そんな感じの薬ですかねぇ。

漢方だと補中益気湯とか六君子湯とか西洋薬ではないカテゴリーの薬ってのもあるし、結構使ったりします。
ただ、漢方薬だから副作用がないとかそういうこともないです。
小柴胡湯とか間質性肺炎起きて死人が出ているし、インフルに使う麻黄湯も理論知っていないとむしろ悪化します。
使うならばきっちり勉強した上で使うべきですし、素人が生兵法で「私の症状にはこれがあっている(ソースは雑誌)からだして」
とかやっちゃうとあんまりいいことにはならないかなぁと思います。
本格的な漢方医だといわゆる補剤っていうものをエキス剤に加えて使ったりするし、さらに進むとエキス剤を使わなくなったりします。
そういう処方箋が回ってくると通常の調剤薬局だと対処できないので、時間がかかっても門前薬局に行ったほうが良いと思います。
わたしの意見をいうならば、ちゃんと勉強している人がその上で使うならば有効な武器になるんだけど
説明書に書いてないことまで知っていないと使いこなせないし、逆効果になることもってとこでしょうか。
あんまりまとまっていない文章になりましたが今回はここまで。
また来週もよろしく。

2 件のコメント:

  1. 何か、Twitterのブラウザから見たのがマズかったみたいで、どうにもコメントできずChromeで開いたら大丈夫でした
    漢方は自分も〇〇橋処方なる2剤併用でエキス錠を飲んでいますが、エキスと煎じて飲む違い問題、甘草カリウム低下問題、併用何剤まで?とか、病名漢方の良し悪しとか色々ありますが、上手く使っていきたいですね。

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