2020年12月12日土曜日

薬の回収のお話

ちょっと洒落にならん事故が起きてるので解説を

イトラコナゾール錠 50 「MEEK」という薬がある。
抗真菌薬、カビを殺す薬で主に水虫の治療に使われるのですが、この薬に睡眠薬の成分であるリルマザホンっていう成分が混入。
それも入ってる量が1錠当たりに5mg入ってた模様
普通に使う量が2mg、高齢者でなければ適宜増減項目かあるから不眠がめちゃくちゃ強ければ4mg使うこともあるかもね。
高齢者は上限2mg。

この事故のヤバいところが2つあって

・基本的に朝食直後に飲むことが多い
・爪水虫とかで使う場合、一回4錠、1日2回服用する。

最悪の状況を考えると、睡眠薬の常用量の10倍の量を朝食後に服用してるということになる。

ニュースによると
服用した患者が意識を失うなどの副作用の報告が11日午前0時までに133件にのぼり、中には車を運転中に意識を失って事故が起きたケースも少なくとも14件報告されているということです。

とこと。
飲んだ量考えたら起きて当然ですよねぇ。

回収ロットは全部みたいですが、患者への追跡調査するのは9月末以降ぐらい処方のもの。
流れからすると、副作用報告がやたらあって、メーカーが調査したら・・・あっ!って感じかな?
異物が混入していたはわりとよくあるし、箱を開けたら別の薬だったってのも稀にあるけど見ただけではわからん。
20年以上薬剤師やってるけど、こんなのはじめて聞くやつです。
小林化工ってそれなりに使ったりする会社なので、他メーカーへ取り付け騒ぎになったりしそう。

こういうことがあるので、薬局のクスリの問診の連絡先は面倒がらずにちゃんと書いてほしいものです。
最悪を防ぐことできることもあるからね。

0 件のコメント:

コメントを投稿